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革新的なビジネスモデルを創造するには? スイス・ローザンヌ大学 イヴ・ピニュール教授が講演

 世界的なベストセラーとなった「ビジネスモデル・ジェネレーション」の著者、スイス・ローザンヌ大学のイヴ・ピニュール教授が来日、4月中旬に早稲田大学ビジネススクールの根来龍之教授と都内で記念講演会を開いた。ピニュール教授は、ビジネスモデル・キャンバスというイノベーションの創造手法を世界中に広めた。どのようにすれば、最適のビジネスモデルをつくり、企業を変革できるのか。

■ビジネスモデル変革の成功例は富士フイルム

 「日本の大企業でもビジネスモデルを変革して成功した例はあります。例えば、富士フイルム(ホールディングス)はそうでしょう。米コダックは破綻に追い込まれましたが、富士フイルムは今、化粧品もつくっていますね」。ピニュール教授はこう語る。世界の写真フィルム市場を創ったのはコダック、しかも同社はデジタルカメラも最初に開発した。しかし、うまく変革できず、ビジネスモデルを構築できなかった。

スイス・ローザンヌ大学 イヴ・ピニュール教授 スイス・ローザンヌ大学 イヴ・ピニュール教授

 だが、富士フイルムはフィルムの要素技術をベースにしながら、ビジネスモデルを変えて医療関連分野、化粧品分野と展開し、現在も高収益体質を維持している。ピニュール教授は「たとえ伝統的な産業であっても、ビジネスモデルの変革は可能だ」と強調。そのためには、当該企業のビジネスモデルを1枚のシートの上で簡略的に表現し、整理する必要があるという。それがピニュール教授が考案したビジネスモデル・キャンバスだ。

 早稲田大学の会場内で、ピニュール教授は、300人あまりの受講生に隣同士2人でチームを作り、話し合いながら、シートを作成するように呼びかけた。対象にした企業は、EV(電気自動車)スポーツカーメーカーの米テスラだ。世界の自動車産業に高級スポーツカーとEVをマッチングすることで、波紋を投げかけたシリコンバレーの革新的なメーカーだ。

■キャンバスは1枚のシート、9項目でビジネスモデル解明

 1枚のシート上には9つの項目があり、書き込む形になっている。右側から①顧客セグメント②顧客との関係③チャネル④価値提案⑤主要活動⑥リソース⑦パートナー⑧コスト構造⑨収益の流れ――。この9つの項目に回答してゆく仕組み。時間は5分間だ。

 次は答え合わせだ。ピニュール教授は会場の受講生の反応を聞きながら、次々答えてゆく。「テスラですから、顧客セグメントは、高所得者の男性ですね。女性もいるかも知れないが、1500万円以上する高級スポーツカーの顧客ですから、大半は男性、しかも相当の高所得者ですね」

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