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親子争いを乗り越え 大塚家具は脱皮できるのか?

早稲田大学ビジネススクール今村英明客員教授の「無常経営」:企業と経営者の進化論(5)

無常な生物システムとしての企業と経営者

 この連載は、企業や経営者を栄枯盛衰しかつ流転する無常な生物システムと仮定し、「ティンバーゲンの4つのなぜ」をツールとして、企業や経営者の進化を考える演習である。題材は、最近の日経ビジネスオンライン(NBO)や日経ビジネス(NB)の記事などである。「ティンバーゲンの4つのなぜ」とは、オランダの動物行動学者でノーベル賞受賞者のニコ・ティンバーゲンが考えた「生物の行動を本当に理解するために解明すべき4つの異なる『なぜ』」のことで、次の4つの問いである。

(1)至近要因:その行動が引き起こされている直接の要因は何か?
(2)究極要因:その行動はどんな機能があるから進化したのか?
(3)系統進化要因:その行動は、その動物の進化の過程で、その祖先型からどのような道筋をたどって出現してきたのか。
(4)発達要因:その行動は動物の個体の一生の中で、どのような発達をたどって完成されるのか?

 4つの問いで、1つのビジネス事象を多面的に解析するスキルを学んでみよう。

 連載第5回目の演習テーマは、「大塚家具の脱皮」だ。

「大塚家具の脱皮」ケース

親子争いを乗り越え 大塚家具は脱皮できるのか?

 2015年初め、インテリア家具小売大手の大塚家具では、創業者で最大株主の一人である大塚勝久氏と、その長女で後継社長の大塚久美子氏(以下久美子社長)との間で、経営方針と経営権の掌握を巡って深刻な対立が表面化した。株主総会では、親族、株主、幹部社員を巻き込んで激しいプロクシー・ファイト(委任状争奪戦)が展開され、メディアでも大々的にカバーされた。結局、久美子社長側が勝利して、騒動は一応の決着を見た。

 大塚家具は、都市中心部での巨大な家具ショールームと会員制販売というユニークな事業モデルで、90年代以降に急成長してきた。しかし、近年の国内家具市場の停滞や、島忠、IKEA、ニトリなどの低価格家具チェーンの成長などによって、リーマン・ショック前後から業績低迷に苦しんできた。長女の経営手腕を疑問視し自らの手で同社を立て直したい勝久氏に対して、久美子氏は会員制の見直しなどビジネス・モデルの変革を掲げている。いわば、大塚家具の古い殻を脱ぎ捨てて、新しい企業体に生まれ変わる「脱皮」を目指している。

 そこで、ここでは、「大塚家具が脱皮する現象」を「4つのなぜ」で分析してみよう(を参照)。

企業の脱皮行動の「4つのなぜ」「大塚家具の脱皮」の例 企業の脱皮行動の「4つのなぜ」「大塚家具の脱皮」の例

>> 「脱皮現象」の至近要因

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