日本版エグゼクティブ教育研究会のご案内

ごあいさつMESSAGE

 いま日本では、国際的にみた「生産性」の低さが問われています。中でも長年にわたる日本企業の「資本生産性」、すなわち「稼ぐ力」の低さが注目され、それを克服するためにガバナンス改革が国をあげて進められています。
 しかし稼ぐ力は、あわせて「人的生産性」を高めない限り、力強いものとはなりません。これまで、日本企業の競争力の源泉は強い現場とミドルにあると言われ、対してトップマネジメントの脆弱性が指摘されてきました。では、その問題に日本企業は真正面から取り組んできたでしょうか。答えは「否」と言わざるを得ません。
 こうした課題を克服し、日本企業が稼ぐ力を取り戻すには、真の経営者マインドを持ったエグゼクティブ層(取締役・役員やその予備軍である幹部)を早くから選抜し、集中的にトレーニングして、育てることが不可欠です。コーポレートガバナンス・コードも、「後継者(育成)計画」の重要性を指摘し、取締役会が適切に管理することを提唱しています。
 経営の根幹は適切で効率的な資源配分にあります。果たして、研究開発(R&D)と人材育研修のいずれに、どのように資源を配分すると、企業価値は持続的に高まるのでしょうか。これまでは、R&Dに優先的に配分するというのが通念でした。しかし、答えは自明ではありません。
 今後は、従来の常識にとらわれずに、企業価値を創造する要素に資源を優先的に配分することが肝要です。その意味で、日本で遅れてきたエグゼクティブ層の教育に資源を配分することが重要だと考えます。エグゼクティブ層の研修効果が上がれば、経営の意思決定の質の向上に即効的につながり、製品・サービスの競争力とは別の「異次元競争力」を生み出します。一部の総合商社や製造業では既にこうしたエグゼクティブ教育を始めており、高い収益や企業価値として結実しつつあります。
 転職や成果主義人事が定着している欧米やアジアでは、企業とそこで働くビジネスパーソンはキャリアの終わりまで研修・学習を続けます。ある程度出世すると勉強をやめてしまう人が多い日本企業とは風景が異なります。OJTなど社内で仕事をこなしてきた経験則に頼る旧来の日本型人材育成だけでは、非連続的な環境変化が相次ぐビジネス社会に対応しきれなくなっているのです。米国などでは、人材育成の最高責任者CLO(チーフ・ラーニング・オフィサー)を置く企業も珍しくありません。
 コーポレートガバナンス(企業統治)の目的はあくまで「稼ぐ」ことにあり、学びを怠るところにガバナンスはありません。イノベーションを創発して企業を持続的に成長させるには、エグゼクティブが経営に必須の知識や思考やリテラシーを幅広く修得することが必要です。それらを併せ持つエグゼクティブ層をどう選抜・練磨するか。研修の目標をどう設定し、育てた人財を宝の持ち腐れにせず、どう活躍し続けてもらうか。
 こうした課題を解決するために、各企業の人材育成の責任者が集う場が、この「日本版エグゼクティブ教育研究会」です。人事や教育・研修に関する最新のビジネス理論と国内外企業の豊富な実例の研究、そして研究会参加者相互や講師との“他流試合”を通じて、次代を担う人材を育てる戦略・仕組みに生かす場として、ご参加いただけましたら幸いです。

日本版エグゼクティブ教育研究会 座長

伊藤 邦雄

「日本版エグゼクティブ教育研究会」事務局
日本経済新聞社 人材教育事業局
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