企業におけるリスキリング支援が迷走する理由と解決に導く考え方

2023.09.01
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リスキリングの重要性とビジネスへの影響

そもそもリスキリングが企業にとってどのような価値をもたらすのか。それを理解しておくことが、リスキリング成功への第一歩となります。

リスキリングの意義

リスキリング(Reskilling)がなぜ重要なのか?それは、組織として競争力を維持し、変化する環境に適応するため。
従業員のスキルのアップデートとキャリアの発展を企業が支援することで、企業としても高い競争力と環境への適応力が期待されます。
ここからはリスキリングが重要とされる理由を、7つの観点で解説します。

①戦略的な競争力維持

リスキリングは組織の長期的な競争力を確保するための基盤です。急速なテクノロジーの進化、市場の変化や人材不足という困難な時代において、従業員に新たなスキルを身につけてもらうことは、企業競争力を高めることにつながります。

②タレントの獲得と定着

優れたタレントを獲得・定着させるには、成長とスキル開発の機会を提供することが重要です。リスキリングの取り組みは、組織の魅力を高め、優秀な人材が組織に惹かれる一因となります。

③リーダーシップ育成とサクセッションプランニング

リーダーシップ層のスキル強化は、組織の未来を支える鍵です。リスキリングを通じてリーダーシップ候補者を育成し、組織のサクセッションプランを確立することで、継続的なリーダーシップの供給を確保できます。

④柔軟な労働力確保

環境変化に対応するため、従業員のスキルの多様化が必要です。リスキリングは労働力の柔軟性を高め、業務変更や新たなプロジェクトへの適切なリソースの配置を可能にします。

⑤業績と生産性向上

従業員が新しいスキルを習得し、効率的に業務を遂行できるようになれば、組織の業績と生産性が向上します。リスキリングは組織全体の成果を増大させる重要な手段です。

⑥企業文化の強化

リスキリングの文化を組織に根付かせることで、従業員は成長への道を感じ、個人としての価値を認識します。これにより、より結束力のある企業文化が育まれます。

⑦未来への投資

リスキリングは、組織と従業員の長期的な未来を見据えた投資です。変化する時代に適応し、変革を先導できる人材を育てることは、持続可能な成功に繋がります。

なぜリスキリングが迷走する?成功しない10の原因

リスキリングの導入は、組織の未来に向けた戦略的な投資ですが、成功には慎重な計画と実行が必要です。計画段階から注意深く検討し、従業員と組織の成長をサポートするプログラムを構築することでリスキリングの取り組みが成功する確率が高まります。

①トップダウンでのアプローチ不足

経営陣のビジョンや目標が従業員全体に浸透していないと、リスキリングがなぜ必要であるか、どのような方向性を持って進めるべきかが曖昧になり、不安や疑念を抱く可能性が高まります。

②予算と資源の不足

リスキリングには適切な予算と資源が必要です。組織が十分な予算を確保できない場合や、リソースが限られている場合、プログラムの展開や実施が難しくなる場合があります。

③優先事項の競合

組織内で異なるプロジェクトや取り組みが競合する場合、リスキリングの優先度が下がることがあります。計画段階から適切な優先順位設定が重要です。

④専門知識の不足

リスキリングの専門知識が不足している場合、適切なプログラムの設計や実施が難しくなる可能性があります。

⑤従業員の抵抗と不確実性

変化に対する不安や抵抗心がある場合、従業員の参加が難しくなることがあります。特に既存のスキルや仕事の安定性に依存している従業員にとって、新しいスキルを習得することは不確実性を伴うかもしれません。

⑥カルチャーと習慣の影響

組織のカルチャーや習慣がリスキリングに適していない場合、新たな学習や変化を受け入れることが難しくなります。従業員の意欲や協力を高めるためには、適切なカルチャーの構築が必要です。

⑦スキルニーズの誤った評価

従業員のスキルやニーズを正確に評価できない場合、リスキリングのプログラムが効果的でない可能性があります。適切なスキルマッピングと分析が求められます。

⑧リーダーの不支援

リーダー層がリスキリングに対して十分な支援を示さない場合、従業員への影響が限られてしまう可能性があります。トップリーダーのコミットメントが欠如することは、取り組みの成功を阻止する要因となる可能性があります。

⑨透明性とコミュニケーションの不足

リスキリングの目的や計画、進捗状況を従業員に適切に伝えないと、取り組みへの理解と協力が得られない場合があります。

⑩短期志向の優先

リスキリングは長期的な投資ですが、組織が短期的な成果を求める場合、取り組みが犠牲にされる可能性があります。


以上の通り、企業におけるリスキリングは企業成長にとって有益なものですが、上手くいかない場合も多々あります。

迷走する原因として挙げたものはどれも断片的な要因であり、実際には「リスキリングの検討プロセス」に課題がある場合もあります。

下記の記事では、そんな迷走しがちな「リスキリング策定プロセス」を5つのステップに分けて紹介します。

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