若手社員研修におすすめのテーマやカリキュラム内容を紹介

2023.11.01
日経ビジネススクール

教育担当者によっては、「若手が育たない」「毎年同じ教育を行っているがよいのか」という悩みを抱えている企業があります。人口が減少し続ける日本において、若手社員の早期成長と組織への定着は、重要な課題です。


若手社員とは何年目社員のことをいうのかは、企業によって異なります。ここでは、社会人2年目から5年目の人を若手社員と位置づけ、具体的にどのような研修を行なうすると成長や定着につながるのかを解説していきます。


日経では、若手社員の成長を加速させるオリジナル研修プログラムを揃えています。経験豊富な人材育成コンサルタントが課題に応じて最適な提案をいたしますので、お気軽にご相談ください。

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若手社員にありがちな課題

若手社員にありがちな課題として、以下のような項目があります。

若手社員にありがちな課題

  • 主体性があまりなく、常に指示を待っている
  • 日々の業務をタスクとして捉え、意味や全体像を理解していない
  • 業務での学びを次の業務に生かすことができない
  • 積極的に学ぶ習慣がない
  • 周りとのコミュニケーションの取り方が分からない

日本企業の多くは、新卒1年目の新入社員に対して長期の集合研修、配属後もOJT研修といった手厚い教育制度を設定しています。


しかし2年目以降になると、基本的にはそういったサポート体制は取られず、自立を求められることも多いです。そこで初めて不安を感じ、挫折を経験してつまずく人も。企業によっては、1年前まで教えてもらう立場だったところから、2年目になって急にOJT指導者の任命を受けて教える側になる人、チームのリーダー的役割を任される人などもいます。すると関わる人が増え、責任の範囲も変わり、若手社員は「はじめて」の大きな環境の変化に直面しているかもしれません。

後輩を教える立場、ディレクションする立場になったときに課題感を抱えてしまうと、そもそも役割を全うできません。自信を失い、働くモチベーションが低下することもあるでしょう。その結果「今の仕事は向いていない」という判断に至ることさえあります。

 ※関連記事:人材育成の計画の立て方と人材育成のポイント

研修を通して若手社員に求める姿

研修を通して若手社員に求める姿や目標には、以下のようなものがあります。

研修を通して若手社員に求める姿

  • 担当業務を自己完遂できる
  • 主体性を発揮する
  • 周囲を巻き込んだ行動をとる
  • 問題発見から解決策を考える
  • 後輩指導ができる

冒頭で若手社員を「2年目から5年目の社員」と定義しましたが、実際の仕事環境において2年目と5年目で求められる役割は異なる場合が多いです。

社会人2年目から3年目の理想の姿は主に以下の通りです。

  • 1年目で教わったことを、先輩の指示を仰がなくても自分で完遂できるようになる
  • 待ちの姿勢ではなく主体性を発揮する
  • 徐々に職場全体に目を向け、周囲への影響を考えながら動ける人になる

一方で4年目から5年目は、企業によっては中堅社員に入ることもありるため、以下のような姿が求められるでしょう。

  • 担当業務の主担当、リーダー的存在になる
  • 個人の仕事や部署全体の課題に目を向け、業務改善ができる
  • 後輩指導ができる

このように、企業によって年次における求められる役割や能力は異なります。

実は見落としている本当に重要な育成ポイント

若手社員の育成では、実は外してはいけないポイントを見落としてしまっていることが多々あります。

実は見落としやすい本当に重要な育成ポイント

  • 行動:他者との協働でパフォーマンスを発揮する力
  • 知識:経済情勢や業界トレンド
  • マインド:自分が何においても代表者である意識

なかには、2年目以降の教育はすべて配属先任せという企業もあります。

しかし、一般的に社会人3年目は離職率が高まる時期とされています。若手社員の離職に課題のある組織ほど、この階層に対して丁寧な教育が必要です。


ここからは、見落としやすい重要な育成ポイントについて紹介します。

多くの人と関わるうえで必須のビジネス基礎力をつけること

若手社員に必要なのは、ビジネス基礎力です。2年目から5年目にかけては、これまでにないような経験をして、新しい人脈も広がる時期です。そのような状況に直面したときには、専門知識も大切ですが、ビジネス基礎力を養うことで仕事を円滑に進め、人間関係をうまく構築できます。


若手社員時代にビジネスで必要な基礎力の土台をしっかり作り、その上に専門知識を積み上げて行いくのが長い目で見れば得策です。今後、これまで携わってきた担当業務以外のことにチャレンジする機会はきっとやってきます。ステージを上げるタイミングで生きるのが、このビジネス基礎力です。

企業としては、新入社員教育だけでなく、2年目以降の若手層に対して、社会人として必要なスキル習得の場を提供できるかが人材育成のポイントです。

行動:他者との協働でパフォーマンスを発揮する力

チームの中で力を発揮できる人に成長するのが若手社員の理想の姿です。仕事には必ず他者、関係者が存在し、多様な人材と目標に向かって手を携えていくことが求められます。周囲とよい関係を築きながら、組織やチームの目標を達成するには、他者との協働でパフォーマンスを発揮する力が必要です。


組織で求められる人材とは、個人として高い能力を発揮すできるだけでなく、持っている能力をチームとしての成果に結びつけられる人です。自分がどのように行動すべきか、若手社員であるこの時期に研修を通して考えるきっかけがあるとよいでしょう。


ステージが上がり、自らチームを率いる立場になったとき、その思考が定着しているとメンバーと協力してよいチーム作りができるはずです。

知識:経済のこと、業界のこと、意識

求められる知識とは、自分の仕事に関することはもちろんのこと、世界や日本の経済・業界の知識も含まれます。ビジネスの世界では、経済や業界事情は知っている前提で会話が進むことはよくあります。特にこの先、自社の業界がどういう方向へ向かうのか、トレンド予測を知っておくと、今何をすべきかが見えてくることもあります。


一般常識に関しては自助努力の領域かもしれませんが、会社として機会提供してもよいですしょう。例えば、若手社員研修で経済に関する題材を必ず取り入れていけば、数年続けるうちに、それが組織文化になっていきます。特に新人や若手社員の人は、上司先輩が当たり前のように購読している新聞や目を通している経済サイトは自然と追うようになります。若手社員の時期から続けて、文化や習慣にすることがポイントです。

マインド:自分が何においても代表者である

若手社員に必要なマインドの一つに、「どれだけ当事者意識を持って仕事に取り組めるか」があります。まさに、自分が何においても代表者であるという意識です。


1年目は、目の前の事をこなすだけで精一杯な若手は多いでしょう。電話応対の指導で「会社の代表者として出る意識を持つ」と指導されることはよくありますが、日常で自身を会社の代表者だと思うような場面は滅多にないと思います。

しかし2年目以降には、基本的な仕事ができるようになり、周囲の状況も見えてくる時期です。そうなるといつまでも先輩達を頼るのではなく、周囲で起きていることに対して、どれだけ当事者意識をもって関われるかが重要になります。「自分が代表者だったらどのように考えるだろうか」「自分が代表者だったらどのような行動をすればよいだろうか」と考えて動くことが大切です。このマインドセットが主体的行動につながっていきます。

 ※関連記事:中堅社員研修が企業に及ぼすメリットは大きい!中堅社員のあるべき姿とは?

若手を育成する際に企業が陥りやすいポイント

ここでは、若手社員の育成の際に企業が陥りやすいポイントについて紹介します。

若手育成の際に企業が陥りやすいポイント

  • 効率を重視しすぎてしまう
  • 若手社員にプレッシャーを与えてしまう
  • モチベーションの維持やアフターフォローが不足してしまう
  • 研修内容をうまく企画できない

人員不足の影響から、新入社員や若手社員に、一日でも早く成長してほしいと思うのは当然です。ただし、効率一辺倒の教育や過度にプレッシャーを与えてしまうのは避けたいところです。


そのような事態を回避する、具体的なポイントを把握しておきましょう。

効率を重視しすぎてしまう

若手社員の育成では、人員不足や早く成長してほしいという思いから、効率を重視しすぎてしまうことがあります。効率の重視は決して悪いことではありません。ただし、人材育成においては、効率を求めて手際よく習得すべきことと、時間をかけてじっくり習熟すべきことが存在します。

例えば、部下を動かすには指示・命令をしたり、質問を受けたらすべて答えを渡したりすることが早くて効率的です。

ただしこの状況が続くと、自分で考えて動ける人材はなかなか育ちません。

こういった場合には、コーチングの育成方法が効果的です。「一度自分で考えてからチャレンジさせてみる」「相談や質問を受けた場合、すぐに答えを渡すのではなく、相手の知識や経験を引き出す質問をする」などが該当します。育成する側にも部下育成の知識のインプットが必要です。

若手社員にプレッシャーを与えてしまう

若手社員への期待をすることはやる気を引き出す点でとてもよいことですが、プレッシャーを与えないようにすることも大切です。周囲からの期待が大きすぎると、それに応えられていない自分に自信を失うタイプや、早く成長しなければと焦るタイプもいます。成長の実感がなければ、不安や重荷になってしまいます。

例えば、期待を伝えるのであれば「〇〇さんならできるから大丈夫」などと言うだけではなく、根拠となる具体的な要素もあわせて伝えることが大切です。「なにかあったら周囲(私)がフォローする」など、安心してチャレンジできる環境を整えられていれば、不安から解放されるケースもあります。

若手といってもさまざまなタイプの人がいます。相手の特性に合わせて言葉を選び、声をかける頻度も配慮が必要です。

モチベーションの維持やアフターフォローが不足してしまう

若手社員の早期離職は多くの企業の課題です。採用活動から新人研修など、たくさんの時間とコストをかけて育ててきた大切な人材です。できれば長く定着してほしいと思うのは当然でしょう。

 

離職の理由は人によって異なりますが、モチベーションが高い状況で離職を選択する人はあまりいません。例えば若手社員にとって、「自社には成長できる機会が多い」と実感できる環境や、将来目指したいと思える上司や先輩社員がたくさんいる組織は自然とモチベーションの維持につながります。

 

自ら学ぶことも大切ですが、若手社員の成長につながる学びの場を常に提供し、アフターフォローがある組織体制を作りが、モチベーションの維持・強化に直結します。

研修内容をうまく企画できない

若手社員を新たに教育しようとするとき、企画段階で悩むケースがあります。どのように計画したらよいのか、内容はどのように決めたらよいのか、忙しいメンバーを集めることができるのかなど悩みはさまざまです。

 

特に階層別研修の企画にあたっては、その階層の社員に必要な能力の定義からスタートします。単体で企画するのではなく、組織全体の研修体系図作りから始めましょう。

 

その上で、1つの研修の具体的企画に入ります。例えば、「いつ、だれを対象に、どのような内容で、どこで、誰が…」と詳細を決めていきます。教育担当歴が長くなると、経験からスムーズに研修を企画できるようになるでしょう。

 

ただしあまり慣れていない場合は、外部の研修会社への相談もおすすめです。企画の段階から当日の研修まで、さまざまなアドバイスを受けられ、参考になります。

若手社員研修に取り入れたいテーマ(学べるスキル)

若手社員研修のうえで取り入れたいテーマを紹介します。

若手社員研修に取り入れたいテーマ

  • 論理的思考
  • コミュニケーション能力
  • 問題発見・解決力
  • 主体性・積極性

これらのテーマは、若手社員に限らず社会人なら誰にでも必要なスキルです。だからこそ、早いタイミングで学び、身につけられれば成長に弾みがつきます。具体的な内容を紹介しましょう。

論理的思考

論理的思考とは、情報を整理し、結論を導き出し、相手には分かりやすく伝える力です。

若手社員が論理的思考を必要する場面は、多岐にわたります。

 

例えば、以下のような場面です。

 

  • 上司から受けた指示内容を整理し、正しく理解する
  • 会議の議事録担当になった際、出席者の発言内容を整理し、簡潔に分かりやすい議事録を作成する
  • 上司への報告の際、伝えたい内容を整理し、結論、次に理由といった分かりやすくい流れで説明する

論理的思考を身につける研修では、情報の整理の仕方や結論の導き出し方、分かりやすく伝えるコツを学んだ後に演習やロールプレイをたくさん経験してもらいます。

 

論理的思考を身につけるにはフレームワークが有効だと思われがちですが、若手向けの研修では身近にある情報を整理する→結論を導き出す→他者へ伝えるという一連の流れを繰り返すことで職場でも実際に再現しやすくなります。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、対人関係構築をはじめ、さまざまな定義があります。若手社員の仕事は、周囲と良好な関係を築きながら伝えるべきことを分かりやすく伝え、相手の話を聞き(引き出し)、目的に向かって進めていくことです。そのためにはコミュニケーション能力が必要不可欠です。


研修でコミュニケーション能力を取り上げる場合、具体的に何が課題なのかを明確にする必要があります。

例えば、上司やお客様との関係作りが課題なのか、伝える力が弱いのが課題なのか、などです。コロナ禍以降は、「リモートワークのコミュニケーション」をテーマとした研修ニーズが高まりました。
 

時代とともに求められるコミュニケーションも変化しています。研修効果を高めるには、実践重視の参加型研修が有効です。

 

問題発見・解決力

若手社員に求められる問題発見・解決力とは、仕事や職場にある問題を発見し、真の原因が何かを考えて解決策を提案する力です。

 

若手社員の中でも4-5年目になると、日常業務の中で「なぜ?」といったさまざまな疑問が出てくる時期です。トラブルが発生した場合であれば、1-3年目なら上司に相談し、指示を仰げばよいこともありました。しかし4年目以上になると、その原因が何か、表面的な対処に留まらず真の原因を深掘りして講じるべき対策を考える力が必要になってきます。

 

ただし、問題発見と解決には一定の知識が必要です。研修では、問題の発見の仕方、真の原因を探る方法、解決策の導き出し方について具体的手法を学びます。その知識を使い、実際に自身の身の回りの問題発見から解決策までを研修中に実践します。さらに可能であれば、研修内で考えたテーマを職場に戻り実行することによって、実際に身につけることが可能となります。

 

主体性・積極性

主体性とは、何をすべきか決められていないことに対し、自分の意志・判断で行動する姿勢です。上司の立場からすると、指示待ちではなく若手社員は自分で考えて行動してほしいという期待があります。


主体性・積極性に欠ける人の多くは、自分の役割や期待が何か無自覚であったり、目的意識が欠如したりしています。言われたことを言われたままに実行するのは間違いではありません。ただし言われないと行動しないことにもつながなります。日々の業務を通して、何のためかを常に考える習慣を身につけるのが、主体性を養う第一歩です。

研修では、あらためて自分に求められている役割を意識し、仕事の目的を考える手法と重要性を学びます。そして何より大切なのが、知識と自信です。焦らずにできることを増やし、小さな成功体験を積む必要があります。

 ※関連記事:いま、中堅社員育成に注力すべき3つの理由とは

まとめ

新入社員研修はあっても、意外と見過ごされがちなのが2年目以降の若手社員の育成です。実はこの若手社員の人たちの中には、人間関係や立場の環境変化に戸惑っている人が多くいます。

若手社員教育に時間をかければ、その後の成長が加速し、結果的に組織全体の成長につながります。まずは研修計画を立てるにあたり、見過ごされがちな入社2年目以降の若手社員向け研修を充実させてみてください。

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