研修スケジュール(個別タイムテーブル)立て方と具体的なスケジュール例を紹介

2024.2.1
日経ビジネススクール

研修の参加者が新たな学びを得たり、有意義であったと感じてもらったりするためには、研修スケジュールを十分に検討する必要があります。ただし研修をあまり企画した経験がない方には、どのようにして研修スケジュールを作っていったらよいかわからない方も少なくありません。

そこで、この記事では以下について説明しています。 

  • 研修スケジュールを作成するステップ
  • スケジュールを立てる際の注意点
     

 本記事を参考に、適切なスケジュールを作成してみましょう。

日経では、企業の課題に応じてカスタマイズした研修をご提案しています。経営戦略と連動した教育体系の見直し・構築から、教育施策の立案・実行まで、経験豊富なコンサルタントが一気通貫で伴走支援いたしますので、お気軽にご相談ください。
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研修スケジュールは2種類ある

研修スケジュールには以下の2種類があります。

【研修スケジュールの種類】

個別の研修スケジュール(タイムスケジュール)

年間の研修スケジュール(年間計画)

適切な研修スケジュールを立てることで、効率的で適切なカリキュラムを提供できるだけでなく、参加社員の研修に対するモチベーションの向上が期待できます。研修担当の研修運営における業務の効率化も可能です。


本記事では、個別の研修スケジュールの立て方について解説していきます。 

研修計画からスケジュールを作成する6つのステップ

適切な研修スケジュールを作成するには、単なる時間割の作成や調整だけではなく、目的やゴールの設定や予算の検討などさまざまな工程が必要です。研修スケジュールを立てるうえでの6つの基本的なステップは以下の通りです。

【研修スケジュール作成の6つのステップ】

  1. 目標やゴールの設定
  2. 予算の確定
  3. 研修カリキュラムの検討
  4. 講師の選定
  5. 関係者の予定調整
  6. スケジュール表の作成

各ステップの具体的な内容や注意点を詳しく解説していきます。

1:目標やゴールの設定

研修のスケジュールを立てるうえで最も重要なことは、目標やゴールの設定です。目標やゴールを明確にすれば、参加社員が研修の目的を正しく理解し、主体的に参加できるようになります。


具体的には「何を学ぶのか」「どのように学ぶのか」「なぜ学ぶ必要があるのか」を明確にすることが重要です。研修スケジュールを立てる初期に目標や目的をはっきりさせて、その後の予算や研修カリキュラムの検討時にも、方向性を見失わずに研修計画を立てられます。

2:予算の確定

研修にどれだけの予算をかけられるのかによって、研修の日程やカリキュラム、講師の選定などが大きく変わってきます。あらかじめ予算を確定し、予算内でより最適な研修計画を具体的に立てられます。


逆に予算の確定をせずに研修計画を立てた場合、再検討しなければならない可能性があります。企業の事業計画や過去実施された研修などをもとに概算をだしましょう。研修計画を手戻りなく効率的に進めていくには、予算は早い段階で確定させておくことが大切です。

予算計画を社内審査にスムーズに通すには、企業の事業計画から自身の部署に割り振られている予算や過去の研修予算の実績を参考に概算して、計画の根拠や確からしさを示すのがポイントです。

予算が足りない場合は助成金を活用

研修の目的によって予算が足りない場合は、助成金を活用し予算を補填するのも一つの手段です。たとえば、人材育成研修の場合、「人材開発支援助成金」の対象になる可能性があります。

要件を満たしていることや別途企業担当者からの申請が必要になりますが、助成金によって研修にかけられる予算を補填することで外部講師や利便性の高い研修会場などを選定できるなど選択の幅が広がります。積極的に活用しましょう。

 

参照元:厚生労働省「人材開発支援助成金」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

3:研修カリキュラムの検討

あらかじめ設定した研修の目的やゴールに対して、どのような研修カリキュラムが最適かの検討は非常に重要な工程です。以下項目を考慮し、研修カリキュラムを検討していきましょう。

【研修カリキュラム検討時に考慮したい項目】

  • 対象者の設定
  • 企業が抱えている課題の把握
  • 現場職員へのヒアリング

対象者や抱えている課題に適切なカリキュラムが異なってきます。研修担当だけで検討するのではなく、過去の研修の感想や改善点を現場職員へヒアリングするのも効果的です。


一方、十分に研修カリキュラムが検討されていない場合、研修効果が目標に到達しない可能性があります。また、研修カリキュラムによって、研修にかかる費用が大きく変わってきます。費用や時間の無駄遣いとならないよう、研修カリキュラムの検討は重要です。

4:講師の選定

カリキュラム同様、どのような講師を選ぶかも研修参加者のモチベーションや習熟度に大きく影響を及ぼします。例えば経験や知見の豊富で、講義慣れした外部講師は受講者の意欲を効果的に引き出します。企業の内部からはうかがい知れない興味深い事例の数々で、話の内容に説得力があります。


研修講師の選定の際には以下のポイントをチェックしてみましょう。

【研修講師を選ぶ際の5つのポイント】

  • 講義する分野の最新動向に詳しいか
  • 専門用語を多用せず説明がわかりやすいか
  • 経験談や具体例を交えて説明してくれるか
  • コミュニケーション能力が高いか
  • 研修目的や受講者に合わせて内容を調整してくれるか

講師選びによって、参加社員の研修内容の理解度や研修に対する満足度が大きく左右されます。外部講師を呼ぶ場合、1日あたり10〜50万円ほどが相場であるとされています。予算にも大きく影響してくる部分です。慎重に研修講師を選びましょう。

5:関係者の予定調整

関係者の予定調整では、講師や受講者だけでなく、同日研修を監督する研修担当など関わるすべての人との予定を調整する必要があります。参加者の直前になってのキャンセルや、講師が確保できないといった事態を避けるにはきめ細かな調整が欠かせません。

あらかじめ以下のポイントを考慮し、関係者の予定を調整しましょう。

【関係者の予定調整】

  • 講師の予定
  • 社内行事の日程
  • 業務の繁忙期や閑散期

研修の時期については、過去の研修日や企業の事業計画を考慮し、参加者が無理なく参加できる適切なタイミングを複数検討しておきましょう。

6:スケジュール表の作成

最後に研修当日のスケジュール表を作成していきます。スケジュールを作成する際は以下のポイントに注意しましょう。

【スケジュール表を作成するときのポイント】

  • 色分けをしてわかりやすくする
  • 1ページに収まるようにする
  • 講師の所属や氏名を記載しておく

スケジュール表は見やすさが重要です。色分けを上手に活用し、視覚的に見やすいように工夫しましょう。スケジュールが複数ページにまたがっているとわかりづらくなってしまいます。1日分のスケジュールは1ページに収まるよう、レイアウトや表のサイズを調整しましょう。

スケジュール表を作るなかで、取り入れたい内容がスケジュールに収まりきらない場合が出てくることもあります。その際は、eラーニング*を用いた事前・事後学習を取り入れて、限られた研修時間を効率的に使いましょう。


*パソコンやタブレット、スマートフォンを使ってインターネットを利用して学ぶ学習形態のこと。場所や時間を選ばず受講できるメリットがあります。

スケジュール表の作成に活用できるテンプレートの種類

スケジュール表の作り方がわからない人にはテンプレートの利用がおすすめです。あらかじめ用意された雛形に、研修の内容や時間割を入力していくので、一からスケジュールを作成するのと比較して、大幅に作成時間を減らせます。


あらかじめ用意されたテンプレートは、綺麗に色分けされているものやガントチャートのように視覚的にわかりやすいものが多い点も、テンプレートを利用する大きなメリットです。

以下、スケジュールを簡単に作成できるテンプレートを紹介します。

【テンプレートの種類】

  • Excel
  • Googleスプレッドシート 

Excelはマイクロソフト社が提供しているオフィスツールの一つです。多くのビジネスマンが利用しており、作成時に操作に迷うなどの心配が少ない点が特徴です。


一方、GoogleスプレッドシートはGoogle社が提供しているサービスでExcelに非常に似ており、無料で利用でき、Excelが使えない方にもおすすめできるツールです。便利な共有機能を使えば、作成したシートのリンクURLを共有するだけで閲覧・編集などの権限を付与できるので、一つのファイルを複数人で管理する際に重宝します。

研修スケジュールを立てる際の7つのポイント

研修スケジュールを立てる際、以下のポイントに注意をしましょう。

【研修スケジュールを立てる際の7つのポイント】

  1. 対象者を明確にする
  2. 適切な研修時間を設定する
  3. 研修以外のスケジュールを先に固定させる
  4. 実施形態を工夫する
  5. 社外講師の依頼を検討する
  6. 対象者に合わせて優先させるべき内容をよく検討する
  7. 振り返りの機会を設ける

1:対象者を明確にする

はじめに、研修対象者を明確にしましょう。対象者が違えば、研修の内容はもちろん、選ぶべき講師、時間配分も全く異なります。以下は代表的な研修対象者の分類例です。

【研修対象者の分類】

  • 新入社員
  • 中堅社員
  • 幹部職員

例えば新入社員だと、周りの参加者が初対面である場合が多く、参加者の緊張や参加者同士のコミュニケーションを促すアイスブレイクを入れるなどの配慮が要ります。対象者が違えば、必要なカリキュラムや研修内容へのアプローチが異なります。あらかじめ対象者は明確にしておきましょう。

2:適切な研修時間を設定する

一つの講義やワーク時間を長すぎず短すぎない適切な時間で設定すれば、参加者は集中力を持って研修に取り組めます。例えば講師の話が60分以上に設定されている場合は長すぎる可能性もあります。


一つの講義やワークが長くなる場合は、60分に一回などのペースで10分程度の休憩時間を設けるとよいでしょう。休憩時間を設けることで、インプットの時間だけでなく、自分の頭のなかで情報や学びを整理する時間にもつながります。ほかの参加者とのコミュニケーションの時間にもなるため、休憩は講義やワークの時間と同じく研修のなかで重要な要素です。

研修内容によって研修時間が短くなりすぎる場合は、グループワークやプレゼンテーションのワークなどを取り入れて、適正な研修時間に調整しましょう。

3:社外研修のスケジュールを先に固定させる

社外研修を利用する場合は、まず日程を優先して固めるのがポイントです。社外研修サービスを提供している会社によって、研修を実施できる日が限定されてしまう場合があります。


研修日に対して余裕を持って予約しないと既に講師の予定が埋まってしまい研修を依頼できない可能性も少なくありません。例えば、研修実施日や社内研修の時間割を先に固定してしまうと、社外研修を組み入れられず研修日や時間割を再度一から計画しなければならない事態にもなりかねません。
 
研修実施日の候補をいくつかリストアップしておき、調整に時間と手間がかかる社外研修を優先してスケジュールを固めましょう。

4:実施形態を工夫する

実施形態とは、研修会場に受講者を集める「対面型研修」、ZoomをはじめとするWeb会議ツールを用いた「オンライン研修」の2パターンに分類されます。

 

対面型研修はオンライン研修と比較して、参加者同士のコミュニケーションが取りやすいメリットがある半面、研修会場の予約が必要で、参加者や講師の交通費も発生します。

一方オンライン研修では、交通費が発生せず参加者は全国どこからでも参加できます。ただし、参加者同士のつながりが薄く、一方的な研修になりがちです。個別ミーティングルームを用いて、オンラインでもグループワークをするなどの工夫が必要です。

5:社外講師の依頼を検討する

研修の講師は「社内講師」と「社外講師」の2つの方法があります。社内講師は、社外講師と比較して費用が抑えられ、社内事情に詳しいメリットがあります。一方、社外講師は費用がかかってしまいますが、適切な講師を選べば研修の質が一気に上がる可能性も少なくありません。社外講師を選ぶメリットは以下の通りです。

【社外講師を選定するメリット】

  • 社内にはないノウハウの提供
  • トレンドが取り入れられる
  • 研修担当の負担が軽減される 

日経ビジネススクールでは、公開講座と呼ばれるオープンな講座への派遣に加え、企業様ごとの課題に合わせてカスタマイズ研修を提供することができます。

6:対象者に合わせて優先させるべき内容をよく検討

対象者に合わせて、重点的に取り扱う内容にメリハリを持たせましょう。例えば新入社員の場合は、自社や業界に関する知識に乏しく業界の最新情報や実践的なノウハウよりも、基礎的な知識や業界全体の理解に比重を置くとよいでしょう。


逆に中堅社員や管理職が対象の研修の場合は、基礎的な内容よりも通常業務では習得しづらい業界の最新情報や実践的な内容を取り扱うことで、参加者の満足度がぐんと上がります。

7:振り返りの機会を設ける

研修の最後に振り返りの機会を設けることで、参加者の理解度が上がります。研修中はインプットの時間が多く消化不良になりがちです。振り返りの時間を設ければ、情報の整理ができ理解度が増します。逆に振り返りの時間を設けないと、知識の定着が浅く、数日で研修内容を忘れてしまうおそれがあります。

振り返りシートに研修全般の感想や意見を記載してもらって、研修の改善点やさらにどのような追加研修が必要かなど、今後の研修につながる気づきを得られることもメリットです。

研修スケジュール例【新入社員研修の場合】

実際に新入社員を対象とした具体的な研修スケジュールの一例を紹介します。研修は2日にわたる想定です。

◆新入社員研修スケジュール1日目の例


 

 研修のタイムテーブル  研修の流れ  備考欄
9:00~10:00  オリエンテーション

 ・研修の目的

・留意事項の説明

10:00~11:00

企業理念や概要の説明

 ・役員による説明
11:00~12:00  社内ルールの説明  ・人事担当による説明
12:00~13:00  (昼休み)  
13:00~17:00  ビジネスマナー  ・社外講師

 

◆新入社員研修スケジュール2日目の例


 

 研修のタイムテーブル  研修の流れ  備考欄
9:00~10:00 電話応対

・グループワーク

10:00~11:00

ビジネスライティング

・社内講師
11:00~12:00 仕事の進め方 ・社外講師
12:00~13:00  (昼休み)  
13:00~17:00 プレゼンテーション研修  ・グループワーク

 

まとめ

今回は研修スケジュール作成のステップやポイントについて解説しました。研修スケジュールを立てる際には、適切な手順を踏む必要があります。闇雲にスケジュールを作っていくと、研修スケジュールの立て直しといった手戻り業務が発生しがちです。

参加者の理解度を上げるには社外講師の起用は一考に値します。日経ビジネススクールで、研修目的に合ったカリキュラムや講師を探してみてください。

人材開発も、日経。

人的資本開示や人材育成・研修導入に関するお悩み、日経の経験豊富なコンサルタントへお気軽にご相談ください。

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