中堅社員育成のよくある失敗例と成功例

2023.10.31
日経ビジネススクール

5年目~30代前半で管理職になる一歩手前に位置する中堅社員。業務を自ら推進し、部門・チーム内では実務の中核を担う層です。しかしながら、企業の人材開発戦略は新入社員のトレーニングや上級職のマネジメントスキル強化に重点を置きがちで、中堅社員層への具体的な取り組みは不十分な場合も多く、中堅社員が伸び悩んでしまうケースが多々発生しています。

 本記事では、これから中堅社員育成に取り組む企業のご担当者様に向け、中堅社員育成によくある失敗例と成功例をご紹介します。

日経では、中堅社員・管理職候補層を将来のマネジメント候補として成長を加速させるためのオリジナル研修プログラムを揃えています。経験豊富な人材育成コンサルタントが課題に応じて最適な提案をいたしますので、お気軽にご相談ください。

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中堅社員育成のよくある失敗例

失敗例① 業務に即さない研修とキャリアパスの不在による人材流出

中堅社員のスキルアップを目的とした研修プログラムを実施しましたが、皮肉にもそれが社員の退職を引き起こす結果となった事例です。

研修プログラムは理論的な内容が中心で、実際の業務に即した実践的な内容が乏しく、社員たちにとって「役に立つ」と感じられるものではありませんでした。さらに、このプログラムは非常に長期間にわたっており、社員が通常の業務をこなしつつ参加する必要があったため、日常業務のストレスは増大してしまっておりました。
もう一つの問題は、研修後の進路についての不透明さでした。社員は研修を終えた後の自らのポジションやキャリアパスがどのようになるのか、会社がどのようにそのスキルを活かすのかについての明確なビジョンを持っていませんでしたので、不安と不満が蓄積し、やる気を喪失した社員が次々と退職を選択してしまいました。。特に優秀な中堅社員ほど新しいチャレンジや明確なキャリアパスを求めており、その期待が裏切られる形となったのです。

この失敗経験から、研修プログラムを導入する際には、その内容が実務に密接に関連していること、また社員一人ひとりのキャリアビジョンと整合していることの重要性が改めて浮き彫りになりました。また、研修の進行と並行して、社員の心理的な負担を考慮し、サポート体制を整えることの必要性も明らかになったのです。

失敗例② 中堅社員が培ってきた経験を軽視した研修による反発

中堅社員向けのコミュニケーション研修がうまく機能しない背後には、彼らならではの特有の課題が存在します。中堅社員は職場での経験を重ね、その分野における専門知識を深めていますが、これが意外な落とし穴を生むことがあります。

研修が「基本」を教えるスタイルの場合、中堅社員は自分のキャリアや実績が軽視されていると感じることがよくあります。彼らにとって、自分の既存の知識やスキルセットに対する敬意が示されていないと捉えられると、研修への反感や抵抗を生むのです。さらに、多忙な日常業務の合間を縫って参加する研修が、自分の仕事に即した価値を提供していないと 認識されると、ますます参加意欲が薄れます。


加えて、中堅社員は既存のコミュニケーションスタイルに固執し、新しいやり方に対しては閉ざした姿勢を見せることがあります。彼らは自らの方法がこれまでうまく機能してきたと信じて疑わないため、研修で提案される新しいスキルや手法に対する抵抗が生まれるのです。

これらの問題を解決するためには、研修プログラムが中堅社員の経験を尊重し、実務に即した内容を提供することが重要です。具体的な業務経験を活かしながらコミュニケーションスキルを向上させるアプローチを取ることで、彼らの参加と学習意欲を引き出すことができるでしょう。
 

※関連記事:中堅社員研修が企業に及ぼすメリットは大きい!中堅社員のあるべき姿とは?

中堅社員育成の成功例

成功例① 中堅エンジニアを技術者からリーダーへ

エンジニアが技術者からマネージャーへとステップアップする過程で、世の中のニュースやトレンドの理解は、戦略的思考や市場への適応能力を高め、組織全体の競争力を向上させるために不可欠です。
成功事例として、ある金融機関が社内のIT部門の社内エンジニア向けに「テクノロジー&トレンド」セミナーを定期的に開催し、ワークショップを開催した事例があります。

セミナーでは、外部の専門家を招待し、世界の技術革新や市場動向などの技術面に関する最新情報を提供するだけでなく、日本経済のニュースやトレンドについての学びの機会を提供しました。学んだ知識が、実際のビジネスで具体的にどのように影響を与えるかについてのディスカッションを行いました。
また、参加したエンジニアが学んだ知識を実際のチームやプロジェクトにおいて、どのように応用できるかについて発表する場も設けました。
この取り組みにより、エンジニアは、ただ技術に長けているだけでなく、会社の状況に合わせて変化し、新しいアイデアも生み出すことができるようになりました。その結果、プロジェクトをうまく進める判断ができ、リーダーとしての役割を果たす機会が増えました。

成功例② 決算短信を活用した中堅社員育成プログラム

企業の将来を見据え、中堅社員に対して「決算短信理解の推進」は欠かせない戦略の一つです。

成功事例として、あるIT企業の取組みについてご紹介いたします。この企業は、中堅社員の経済的リテラシー向上を目的とし、「決算短信セミナー」を企画・実施しました。これは、決算短信の数値が何を物語っているのか、また、それが事業戦略にどのように結びつくのかを学ぶ内容でした。講師には、財務分析の専門家を招き、実際の決算短信を使ったケーススタディを行いました。

このセミナーの特徴は、ただ決算短信の読み方を教えるのではなく、実際に参加者である中堅社員に分析させ、どのように事業にフィードバックするかを一緒に考えさせる点にありました。

例えば、売上高や利益率の変動が企業活動にどのような影響を及ぼすのか、特定の指標が予算計画や事業戦略にどのように反映されるのか、などの実践的な演習を通じて、数字の背後にあるビジネスモデルや市場動向を読み解く力を養いました。

この取り組みにより、中堅社員たちは会社の業績報告に対する理解を深めると同時に、自分たちの働く部門が企業全体の中でどのような役割を担っているのかを明確に把握することができるようになりました。それがモチベーション向上にも繋がり、部門の目標達成に対するコミットメントが強化されました。

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