カフェテリアプランとは?ポイントの使い方と導入するメリット・デメリット

2024.3.12
日経ビジネススクール

福利厚生制度の一つとして、大手企業を中心に取り入れられているカフェテリアプラン。元々アメリカで生まれた制度です。日本企業での導入割合は調査対象企業の15%程度でとどまってますが、従業員の福利厚生。

 

この記事では以下について説明します。

  • カフェテリアプランとは
  • カフェテリアプランのメリット・デメリット
  • カフェテリアプラン導入の流れとポイント

本記事を参考に、カフェテリアプランの導入による従業員満足度の向上を検討してみましょう。

 

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カフェテリアプランとは

カフェテリアプランとは、従業員が与えられたポイントの中から、自分のライフスタイルやニーズに合った福利厚生を選択できる制度です。カフェテリアプランの「カフェテリア」とは、レストランや食堂で食事のメニューを自分で選べるスタイルを指す言葉からきています。

 

従業員一人ひとりの多様なニーズに応えられ、モチベーションの向上や離職率の低下にも寄与するとされています。

カフェテリアプランの仕組み

カフェテリアプランの基本的な仕組みは、従業員に一定額の補助金(ポイント)を支給し、その支給されたポイントの範囲内で用意された福利厚生メニューの中から自由に選ぶというものです。選べる福利厚生メニューには、医療保険、年金、保養施設の利用、資格取得支援などさまざまな種類が存在します。

 

このように、従業員一人ひとりが自らの価値観や生活状況に合わせて福利厚生をカスタマイズできるのが、カフェテリアプランの大きな魅力とされています。

カフェテリアプランの使い方

カフェテリアプランの使い方には以下があります。

【カフェテリアプランの使い方】

  • 福利厚生プランのメニュー選択
  • プランのレベルアップ
  • サービスの追加やオプションの選択

企業が用意した福利厚生プランから希望のメニューを選択するのはもちろん、福利厚生プランのアップデートも可能です。例えば、医療保険のプランを従業員自身の健康状態や家族構成に合わせてアップグレードできます。企業が提供している医療保険に合わせて利用することで、従業員はお得に必要な保険へ加入できるようになるのです。

 

さらにスポーツジムや育児・介護サービスの利用にもポイントが使用できる場合も多くあります。ほかにも財形貯蓄や資格取得支援など、企業ごとにさまざまなメニューが取り揃えられており、従業員一人ひとりのニーズに合わせて利用できます。

カフェテリアプラン導入のメリット

従業員満足度を上げるには効果的な福利厚生施策であるカフェテリアプランですが、企業にとってもメリットが存在します。

【カフェテリアプラン導入のメリット】

  • 社員のモチベーションや満足度の向上につながる
  • 社員の個々のニーズや多様性に対応できる
  • コスト効率を向上させることができる

社員のモチベーションや満足度の向上につながる

企業にとって、社員のモチベーションや社員満足度の向上が期待できる点はカフェテリアプラン導入の大きなメリットです。社員のモチベーションは、日頃の業務の品質に関わり、企業全体の業績にも直結します。また、従業員の満足度を上げることで離職率の低下につながります。

 

実際に、顧客満足度だけでなく社員満足度にも焦点を当てて、企業で改善している企業の業績は伸びていることが、厚生労働省の調査から見て取れます。

参照元:厚生労働省(「魅力ある職場づくり」で生産性向上と人材確保

 

従業員の満足度を上げる福利厚生制度の整備は魅力的な職場づくりに直結するため、職場の生産性の向上や人材確保といった企業が抱える問題を解決できる手段になります。

社員の個々のニーズや多様性に対応できる

社員一人ひとりのニーズに合わせた福利厚生を提供できるところが、カフェテリアプランのメリットであり、ほかの福利厚生と大きく異なる点です。従来の福利厚生では、会社があらかじめ決めた福利厚生の中から、自分に合ったものがあれば利用するという形がほとんどで、従業員が利用したいと思える福利厚生がほとんどないというような企業も少なくありません。

 

一方カフェテリアプランでは、多種多様なメニューが用意されており、従業員は自身のニーズに合わせて選択的に福利厚生を利用できる利点があります。多くの従業員を抱える企業には、多種多様な環境や価値観を持った従業員がいます。そのような多様性に対応する手段としても、カフェテリアプランは効果的です。

コスト効率を向上させることができる

カフェテリアプランは、従業員が選択した必要なメニューにのみ福利厚生費用を使うため、不要なサービスや福利厚生にかかるコストを削減できます。例えば、従来の福利厚生ではあるメニューを福利厚生として取り入れると全従業員分の福利厚生費がかかります。しかし、カフェテリアプランであれば、あるメニューに対し必要とする従業員分のみの福利厚生費のみで済みます。

 

このように、必要なところに必要なだけといったように福利厚生費のコスト効率を向上させられます。また、従業員は自身の必要な福利厚生のみを選択して享受するため、企業がかけた福利厚生費のコストと従業員の満足度の費用対効果の改善も期待できます。

カフェテリアプラン導入のデメリット

カフェテリアプランの導入にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。導入の前にしっかりと押さえておきましょう。

【カフェテリアプラン導入のデメリット】

  • ある程度の予算が必要になる
  • 管理や運営が複雑化する可能性がある
  • 課税・非課税のメニューが混在している

ある程度の予算が必要になる

福利厚生にある程度の予算を確保しなければ、カフェテリアプランの導入は難しい場合が少なくありません。カフェテリアプランのメリットを従業員へ提供するには、従業員の多様なニーズに合わせていくつかのメニューを用意する必要があります。

 

また福利厚生のメニューが増えることで、管理コストも増えてきます。魅力的な福利厚生メニューを確保しつつ、管理コストを下げるには、福利厚生代行サービスの利用がおすすめです。

管理や運営が複雑化する可能性がある

福利厚生のメニューが増えれば増えるほど、管理や運営が複雑になる可能性が高まります。メニューによっては、外部サービスと福利厚生を連携させる必要もあり、管理や運営には多くのリソースが求められます。

 

また、時代や従業員の要望に合わせて福利厚生のメニューも改善していく必要もあります。このようにカフェテリアプランを導入することで、管理や運営が複雑化し、担当部署の負担が大きくなり過ぎてしまうおそれがあります。

 

管理や運営に関わる負担を軽減したい場合は、福利厚生代行サービスの利用も合わせて検討しましょう。

課税・非課税のメニューが混在している

カフェテリアプランで従業員が選択できるメニューの中には、課税・非課税の両者が混ざっており、税金の計算方法が煩雑になってしまうデメリットがあります。カフェテリアプランで付与されるポイントについては、原則従業員がポイントを利用してサービスを受けたときに、そのサービスの内容によって課税・非課税を判断される仕組みです。

 

例えば、従業員本人がポイントを利用して人間ドックを受ける場合は、企業の義務である従業員の健康管理に該当するため、非課税であることが認められています。一方、ポイントを現金や金券に変える場合や、換金性のあるもの(商品券・乗車券・映画/遊園地/スポーツ観戦の入場券など)の場合は、福利厚生とはいえ課税対象になるため注意が必要です。

 

参照元:国税庁(カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合

カフェテリアプラン導入の流れとポイント

従業員満足度の向上だけでなく、企業側へのメリットも大きいカフェテリアプランですが、導入には以下のステップを踏む必要があります。

【カフェテリアプラン導入の流れ】

  1. どのようなメニューを組み入れるかプランを設計する
  2. システムの導入
  3. 社員への共有とガイダンスを実施する
  4. 導入後のフィードバックと改善

1.どのようなメニューを組み入れるかプランを設計する

カフェテリアプランの導入の第一歩として、どのような予算でどのようなメニューを取り入れるかを設計する必要があります。取り入れるメニューを決める際には、従業員のニーズを正しく把握することが重要です。また、従業員のニーズをすべて満たすようにメニューを取り入れようとすると、膨大なメニュー数となり企業側の予算に合わなくなってしまいます。予算の範囲内で、従業員のニーズを満たすメニューを取捨選択してカフェテリアプランを設計しましょう。

 

多くの企業で取り入れられているカフェテリアプランのメニューは以下のものがあります。

【カフェテリアプランのメニュー例】

  • 生活関連:住宅補助、育児・介護サービス利用費、社員食堂利用補助 など
  • 財産形成:財形貯蓄奨励金、持株会奨励金 など
  • 健康/医療:人間ドック受診補助、フィットネス利用補助 など
  • キャリア支援:資格取得支援、ビジネススクール受講料補助 など
  • レジャー:宿泊費補助、交通費補助、レジャー施設利用券 など

2.システムの導入

取り入れるメニューが決まったら、次にカフェテリアプランを管理・運営するシステムの導入を検討します。従業員が利用しやすいように、PCだけでなくスマホにも対応したオンラインシステムであるのはもちろんのこと、管理・運営の負担を軽減することも念頭にシステムを選択する必要があります。

 

例えば、従業員の利用状況や傾向などの統計データを収集できる機能を持ったシステムは、今後のプラン改善に役に立ちます。ユーザーの使いやすさや管理コストなどを考慮し、導入するシステムを選択しましょう。

3.社員への共有とガイダンスを実施する

カフェテリアプランの導入の準備ができたら、社員への内容、利用方法の共有・ガイダンスを行いましょう。カフェテリアプランの導入の経緯やメリット、使い方などを丁寧にガイダンスしなければ従業員の利用率も上がらず、従業員満足度の向上といった目的の達成が困難になってしまいます。

 

利用ガイドや不明点の問い合わせフォームなどを合わせて完備しておくと、従業員から不明点が出たときのスムーズに対応できるようになります。カフェテリアプランの利用説明のためのオンライン研修があれば、一度に多くの従業員へ周知できるだけでなく、理解できるまで何度も視聴できるメリットがあるためおすすめです。

4.導入後のフィードバックと改善

無事導入できた後でも、フィードバックや改善を怠ると従業員の満足度低下につながる可能性があります。システムが使いにくい、利用方法が分かりづらいなどの不満が多く出る場合は、システムの改善や従業員への追加ガイダンスが必要です。また、カフェテリアプランのメニューが従業員のニーズにマッチしていない場合も、メニューの見直しが必要です。従業員のニーズを正しく把握することはもちろん、時代によってニーズが変化するため定期的なメニューの見直しをしましょう。

 

従業員の利用アンケートや利用状況の情報収集によって、従業員ニーズとのズレやシステムの課題をいち早く察知し、改善につなげることが大切です。

まとめ

今回は福利厚生制度の一つであるカフェテリアプランについて解説しました。カフェテリアプランは、従業員が選択的に福利厚生を選べる特徴があり、従業員満足度を向上させる注目の福利厚生制度です。従業員の満足度の向上によって、離職率の低減や業績の伸長にもつながるメリットがあります。

 

一方、管理や運用面でのデメリットも存在するため、導入の際は福利厚生代行サービスの利用も視野に入れて検討しましょう。

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