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「知的ライザップ」 この意味分かりますか 一橋大学大学院国際企業戦略研究科を「体験」(上)

「ブートキャンプ」か「知的ライザップ」か

 会場は、2部屋とも、50人前後の傍聴者でほぼ満席。スーツ姿のビジネスマン風の人が目立つ。聞けば、在校生のほか、発表者の会社の同僚、同コースで学ぶことに関心のある人が多いという。

 みんな前方のスクリーンを凝視したり、手元の同じ資料に目を落としたりして、発表者の説明に熱心に耳を傾けている。中には、せっせとメモを取る人も。人間というのはだいたい、話が難しかったり退屈だったり、あるいは業務で嫌々参加したりすると、眠くなって舟をこいだりするものだが、そんな人は一人も見当たらない。やはり、わかる人にとっては傾聴に値する内容らしい。

 発表の内容がちんぷんかんぷんだった筆者は、思い切って石田さんに聞いてみた。昔から、こういうことが得意だったのかと。

石田滋宏さん 石田滋宏さん

 石田さんいわく、「ここに来る前は、まったくできませんでした。入れば、できるようになる。ここはまさにブートキャンプ(厳しい訓練で知られる米国の新兵訓練施設のこと)です」。

 第1会場で2番目に発表したのは、格付け会社に勤務する田中祥平さん。論文のタイトルは、「一般化線形混合モデルによる格付推移モデルのベイズ推定~日本の格付推移データによる実証分析~」と、石田さんに輪を掛けて難しいタイトルだ。内容は、「企業の格付けを左右する景気以外の要因を、統計解析モデルを駆使するなどして探ろうという試み」(田中さん)。資料を見ると、やはり複雑怪奇な数式やグラフ、図形が並んでいる。

 しかし34歳の田中さんもまた、石田さん同様、「ここに来る前は、数理的なことは得意ではなかった」と話す。

 ブートキャンプに入って鍛えられると、誰でも2年間で金融や財務のプロに変身できるというわけだ。生徒の間では、ブヨブヨの体が短期間で見事なナイスバディに変身するフィットネスクラブのテレビCMを引いて、冗談交じりに「知的ライザップ」とも呼ばれているらしい。

 1年目を終えたばかりの在学生にも話を聞いた。メーカーで、買収先企業のコーポレートガバナンスの構築などを担当しているという女性は、「私は経営財務系が専門なので、きょうの論文発表の中の金融戦略系のテーマは正直、論点の理解が難しかったが、論文の中で使われていた統計的手法に関しては、授業でやったのでよく理解できた」と話す。

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