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ダイバーシティーなくして成長なし・カルビー松本会長

■トライ・アンド・エラーだけはダメ

内田 海外に出る時もトライ・アンド・エラーが大切なんだろうが、日本企業は、リスク許容度が低いのでは。

ダイバーシティーなくして成長なし・カルビー松本会長

松本 トライ・アンド・エラーだけはダメ(笑)。方法をきちんと決めて、その中でしっかりやることが大切。

 カルビーはスナックをつくらせたら世界一。ただ、値段が高い。あんな高い商品は海外では売れない。それで中国では一度失敗した。顧客にいくらで買ってもらえるか、それを見つけ出すのが一番大変。その金額が分かったら、利益率15%を引いて残ったのがコスト。そのコストで、品質に妥協せず、いいものが作れたら勝ち。多くの日本企業は、とりあえず作ってから利益を乗せて売ろうとするから、高い値段になって売れない。それを解決すれば、問題の半分は解決するだろう。

内田 さて、日本の人口は減少しつつある。日本企業の10年後、20年後を考えた時に、今から何か手を打たないといけない。松本さんの方策は。

松本 まず、ビジョンをつくること。カルビーでは、ビジョンというより夢をつくる。私の言葉で言えば、ホラを吹くこと。それを、みんなでどう達成するかということで毎日やっている。売上高で言えば、現在約2500億円の売上高を、2020年代の前半までに1兆円にする。

 国内と海外を半々と考えると、国内にはスナック、シリアルがあるが、それだけでは足りないので、もうひとつの柱を探している。海外は市場が大きいので、国内よりも簡単だと思っている。北米と中国でどれだけいけるか、残りでどれだけいけるかと考える。やはり着眼点や大局的視点が大切だ。大局が決まったら、着手するのは目先の小さなことから。みんなで夢を持ってやれば、いいことあるよと言っている。

■ダイバーシティーをやらないと、会社がダメになる

ダイバーシティーなくして成長なし・カルビー松本会長

内田 グローバル展開では、男性中心の同質的な人材ばかりでは限界がある。カルビーは女性活用で表彰もあるが、外国人なども含めた人材のダイバーシティー(多様性)をどのように推進しているのか。

松本 基本的に、ローカライゼーション(現地化)とダイバーシティーを推進するが、日本の経営陣の半分を外国人にした方がいいとは思わない。日本はやはり日本人のほうがうまくやれる。同様に、中国では中国人、米国では米国人が経営した方がいい。基本は、現地の人材による経営だ。

内田 今、女性の執行役員は何人いるのか。

松本 15人中5人。

内田 ダイバーシティーはトップが推進しないと進まないのか。

松本 これはもう力づくでないとダメ(笑)。トップがはっきりコミットする。やるというだけでは不十分で、いつまでにどれだけとまでコミットしないとダメだ。ダイバーシティーをやらないと、会社がダメになることは明らかだ。

内田 どうして。

ダイバーシティーなくして成長なし・カルビー松本会長

松本 1990年以前の日本のビジネスモデルでは、いい大学を出た男性と、年寄りばかりでも、会社の経営ができた。おしなべて規格大量生産だったので、極論すれば誰でもできた訳だ。それが日本に向いていた。

 しかし、世の中が変わり、ビジネスは難しく複雑になった。護送船団方式はなく、グローバルな戦いとなっている。当然、いくらでも優秀な人間が要る。高学歴日本人男性と年寄りだけが集まる会社で世界を相手のビジネスで勝てる訳がない。ダイバーシティーを進めてより広くから有能な人材に集まってもらうしかない。

内田 よく理解できた。では、個人として、10年後に通用するビジネスパーソンでいるためには、何をすればいいだろうか。

松本 勉強し、知識だけでなく頭を使い、行動すること。「学びて思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)し」。そして、「思うて学ばざれば則(すなわ)ち殆(あやう)し」。まず学ぶことから始めないと。

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