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探訪ビジネススクール

ダイバーシティーなくして成長なし・カルビー松本会長

■会社は成果、結果。ささげる時間は関係ない

内田 ビジネススクールは役に立つのか。

ダイバーシティーなくして成長なし・カルビー松本会長

松本 立つだろう。基本は、学ぶところでちゃんと学ばないとダメだから。会社は学ぶところではなく、学んできたことを使って貢献するところだ。

 ただ、カルビーでは、学ぶ環境は与えている。時間や、お金もサポートしている。後は自分次第だ。執行役員に対しても、午後4時に退社しろと言っている。できた時間で勉強しなさいと。

内田 感心したのは、松本さんが、小さな子供のいる女性社員を大きな事業の責任者に据え、「俺がお前にいうことは、1つだけ。毎日午後4時に帰れ」と、いったという逸話だ。

松本 いったのではなく命令だ(笑)。そういう社員をつくっていかないと、会社が変わらない。働き方の改革ができない。

内田 素晴らしいと思うが、ダイバーシティーやワークライフバランス(仕事と生活の調和)を無理に進めると、従来型の社員が減ったり、会社への忠誠心が弱くなったりする懸念はないか。

松本 正直言って分からない。だが、そうした社員が会社にささげているのは時間だけということが多い。ささげるべきは成果だ。私の経営哲学の根幹は、会社は成果、結果を出すところであり、時間は関係ない。

 経営者は常に組織を良くしようと考えているが、それは結果を出すためだ。そして、結果を生むような環境を作らないと、人は動かない。だから環境、制度を整え、文化や仕組みを変える。そして人は時間を与えたら、必ず自分に得になることをやるものだ。

■米国はMBAが増えてから強くなった

ダイバーシティーなくして成長なし・カルビー松本会長

内田 最後に、ビジネススクールのような社会人教育に何を期待するか。

松本 1980年代から仕事でよく米国に行ったが、当時の米国は不況で失業率が高かった。そのこともあって、多くがMBA(経営学修士)を取得し始めたように思う。それから米国が強くなった。

 対して日本人だが、景気がよかったから、懸命に学ばなかった。学ぶ癖、文化、習慣も欠けていたように思う。最近になってやっと、学ぶ場が増えてきた。それはとてもよいことだ。まず器があれば、やってみようかという気にもなる。カネも時間もかかるものだが、経営者としてはできるだけサポートしたい。会社なんてろくでもない金をいっぱい使っているので、それに比べれば非常に良い使い方で金額も大したことない。(笑)

 会社が社員に対して使うお金で一番大切なのは給与。次に教育費だ。それをケチるから日本の会社は弱っている。

内田 松本さんの話からまず感じたのは、会社は人間の持っている可能性に賭けることが大切だということ。また、これまでの戦い方では限界があるということ。

 そして、人間が持っている可能性を伸ばし、新たな戦い方をするために、会社は学ぶ場を作ることが大切。働く側も学ぶ姿勢を持ち続けることが大切だということ。

 第一線の経営者から貴重な学を得たことに謝意を表してこの対談を終えたい。

(ライター 猪瀬聖)

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