We paid through the nose for the pitcher. But he wasn’t worth it.
(我々はそのピッチャーに大枚をはたいたのだが、その値打ちはなかった)
Vocab Aid:
worth ~(~の価値がある)
pay through the noseという奇妙な慣用句があります。「鼻を通して払う」――。これで「大枚をはたく」「法外なカネを払う」、ひいては「ぼったくられる」などの意味になります。由来については諸説あるけれど、どれもあてになりません。中世のアイルランドで、税金を払わないと鼻を削がれたことからというのもそのひとつですが、当コラムは単語のbleed(出血する)に関係があるという説を採ります。bleedには「カネをまき上げる」の意味もあるところがミソで、それと人間の身体で最も出血しやすいのが「鼻」であることを掛けて、このフレーズが生れたとする説。鼻血が出るほどカネをまき上げられる――。こう考えると、このイディオムもずい分わかりやすくなります。我々も貧乏すると、「もう鼻血も出ない」と言うではありませんか。
How to use:
- How was the rock concert last night? Was it good?
- Yeah, it was great -- except that I had to pay through the nose for the ticket.
- 夕べのロックコンサートはどうだった? よかったかい?
- よかったわよ――チケットが目の玉が飛び出るほど高かったこと以外はね。
Further Study:
「大金をつぎ込む」――。「大枚をはたく」とはややニュアンスは違っても、これも我々がよく使う表現ですね。「ベンチャー事業に大金をつぎ込む」「新企画にカネをつぎ込む」などなど。英語でならsink (lots of money) in ~で、その意を出せます。「~に(たくさんのおカネ)を沈める」が直訳ですから、pay through the noseに比べればウラもオモテもない、極めてわかりやすいフレーズ。もちろん「大枚をはたく」の意味で使っても、ちっとも構いません。
Nobody in his/her right mind would sink money in such a business as that.
(あんな商売にカネをつぎ込むようなバカなことをする人は、1人もいません)
Do you know how much money we sank in what you call a “venture project”?
(君のいうベンチャー事業に、我々がいくらつぎ込んだか知ってるのか)
コスモポリタン・インスティテュート(CI)