Tom is becoming bigheaded. About time we brought him down a peg or two.
(トムは天狗になってるな。鼻をへし折ってやってもいいころだ)
Vocab Aid:
become bigheaded(天狗になる、うぬぼれる) about time ~(そろそろ~してもいい頃だ)
「得意になる」ことを、我々は「鼻を高くする」と言います。その鼻が高くなりすぎると周りは面白くなくなってきて、「誰かあの鼻をへし折ってやれ」という話になります。これがbring ~ down a peg or two(~のペグを1つ、2つ下げる)。pegとは先のとがった「留め釘」のことです。帽子を掛ける壁の「ひっかけ」もpegなら、テントを固定させる「杭」もpeg。船でいえば、旗を上げるためにマストにつけてある「留め具」も、そう呼ばれます。英国海軍では格の高い船ほど上段のペグに旗を掲げたそうで、それが表題のフレーズの由来という説があります。思い上がっている人を、その「格」もないのに上段に旗を上げる船に見立て、「そんなガラじゃないだろう、ペグを下げろ」と思い知らせる――。つまりは「(高慢な)鼻をへし折る」ことですね。
How to use:
- After he was made the team captain, Tom really got conceited.
- Yeah, we need to bring him down a peg or two someday.
- キャプテンになってトムは天狗になってるわね。
- うん、いつか鼻をへし折ってやらなきゃいかん。
Further Study:
「得意になる」ということなら、英語にも「nose(鼻)」を使った言いまわしがあります。nose in the air(中空の鼻)がそれで、「ツンとすました」態度や「鼻高々」になっている人のことを指します。Jane’s nose is always in the air.は「ジェーンはいつもツンとすましている/鼻高々だ」。もうひとつturn up ~’s noseも覚えておくと、重宝します。こっちは「鼻であしらう」「(小ばかにして)断る」などの意味になります。これも、ペグの1つや2つは下げてやりたいタイプ。直訳が「鼻をプイと上に向ける」ですから、そのものずばりの感じが出ていますね。
Jill has had her nose in the air since her son passed the bar exam.
(ジルは息子が司法試験に受かって、鼻高々です)
Sally turned up her nose at Jack when he proposed to her.
(ジャックが求婚したら、サリーはフンと鼻であしらいました)
コスモポリタン・インスティテュート(CI)