Don’t fight him. Run away and live to fight another day.
(やつとはケンカするな。逃げるが勝ちだ)
Vocab Aid:
fight ~(~とケンカする、~に逆らう)
テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』、通称「逃げ恥」が大好評だったようです。見損ねたので中身は論じませんが、少なくともタイトルから連想するのは「逃げるが勝ち」。英語にするなら表題のフレーズ。「生きてまた戦えるよう、ここのところは逃げておく」――。当コラムの造語ですが、下敷きにしたのはHe who fights and runs away, lives to fight another day.(逃げて生きのびる者は、またいつの日か戦う)という格言です。大昔、マケドニア軍との戦場から敵前逃亡したアテネ軍の兵士が、卑怯者とののしられたときに言い返したせりふ。やや負け惜しみの感があるところも、我々の「逃げるが勝ち」にそっくりです。
How to use:
- They demand that we come outside and have it out with them. What shall we do?
- Well, for today, let’s run away and live to fight another day.
- あいつら、話をつけてやるから出てこいと言ってますよ。どうしますか?
- うん、まあ今日のところは逃げるが勝ちでいこう。
Further Study:
同じことでも「君子危うきに近寄らず」と言うと、「逃げるが勝ち」が持つ負け惜しみ感が消えてなくなります。それどころか、賢い人間はやはり賢いと尊敬さえされる。同様に、表題のフレーズをdiscretion is the better part of valor と言うと、ぐっと重みが増した格言になります。discretionは「慎重さ、思慮分別」、valorは「(とくに戦場における)勇気」ですから、全体では「思慮分別が勇気のほとんどを占める」。これも「君子~」も、煎じつめれば「逃げるが勝ち」のことなのに、なんだか格上の金言に聞こえてくるから不思議です。モノは言いようです。
- If we shy away from them now, they will call us a bunch of chickens.
- In life, there are times when discretion is the better part of valor, you know.
- ここであの連中から逃げたら、オレたち臆病者と言われますよ。
- 人生には逃げるが勝ちというときもあるんだよ。
コスモポリタン・インスティテュート(CI)