グローバル化の進展で、対外ビジネスをするときはもちろん、国内事業にからんでも英文会計の理解が必要な局面が増えている。財務3表を一体的に学ぶ勉強法を提唱する会計研修のプロ、ボナ・ヴィータコーポレーション代表取締役の國貞克則氏は、同じ勉強法が英文会計でも有効と話す。國貞氏に、この勉強法に則った英文会計の基礎を8回にわたって解説してもらう。第2回は、財務3表それぞれの構造についての理解を深める。
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■日米で違う会計原則~用語や様式、細かく統一されず
第1回のコラムでは財務3表の全体像を解説しました。財務3表を一体にして勉強すれば会計の理解が一気に進むのですが、その財務3表を一体とした勉強法に進む前に、損益計算書(Income statement)と貸借対照表(Balance sheet)とキャッシュフロー計算書(Cash flow statement)の構造について、その要点を簡単に説明しておきます。
損益計算書から説明していきましょう。米国の会計原則(Accounting principles)は日本のそれと違って、財務諸表の用語と様式がかなり細かく統一されているわけではありません。ですから、損益計算書(Income statement)も、Statement of income、Statement of earnings、Statement of operations、Statement of profit and lossなど様々な呼び名があります。このコラムでは基本的にIncome statementを使用します。
損益計算書には多段階形式(Multiple-step format)と無段階形式(Single-step format)の2つの様式があり、どちらを採用しても構いません。
多段階形式の損益計算書の一例を図表1に掲載しました。多段階形式の損益計算書は、営業活動の部(Operating section)と営業外活動の部(Non-operating section)の利益を分離して表示するものです。
図表1 多段階形式の損益計算書
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図表1 多段階形式の損益計算書(日本語版)
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