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英文の財務3表 書式や用語の不統一に惑わされるな 第2回 まずは財務諸表の構造を知ろう

■貸借対照表も2つの形式

 次は貸借対照表です。損益計算書と同じように、貸借対照表(Balance sheet)にも、Statement of financial positionやStatement of financial conditionなど多様な呼び方があります。また、貸借対照表にも、勘定形式(Account form)と報告形式(Report form)2つの形式があり、どちらを使ってもよいことになっています。

 勘定形式の一例を図表3に掲載しました。前述したように、貸借対照表は左右に分かれています。右側に「その会社がいままでにどうやってお金を集めてきたか」が記載され、左側に「そのお金を何に投資したか」が記載されています。もっと会計の素人向けにわかりやすく言えば「集めてきたお金がいまどういう形に変わって会社の中に存在しているか」を表しています。基本的に日本の会計基準の貸借対照表と同じですね。

 図表3の貸借対照表の左側を見てください。左側全体を資産の部(Assets)と言い、上から順に流動化しやすい、つまり現金化しやすい順に並んでいます。大きく流動資産(Current assets)と固定資産(Non-current assets)に分かれています。

 貸借対照表の右側は「どうやってお金を集めてきたか」が表されているところでした。会社がお金を集めてくる第一の方法は「他人から借りる」という方法があります。これが負債の部(Liabilities)に記載されています。左側と同じように、流動負債(Current liabilities)と固定負債(Non-current liabilities)に分かれています。

図表3 勘定形式の貸借対照表

図表3 勘定形式の貸借対照表(日本語版)

 負債は他人から借りたお金ですから返済しなければならないものです。負債の下に純資産の部(Stockholders' equity)という欄があります。その中に資本金(Common stock)という項目があります。これが株主から資本金として注入されたお金です。資本金は一度株主から注入してもらえば基本的に二度と返す必要がないお金です。

 会計の入門書を読めば、多くの本に「会社がお金を集めてくる方法は2つある。それは借入金として他人から借りる方法と、資本金として株主から注入してもらう方法である。」と書かれています。しかし、会社がお金を集めてくる方法は実は3つあります。それは借入金として他人から借りる方法と、資本金として株主から入れてもらうという2つの方法に加えて、自分の会社が当期純利益として稼ぎ出すという3つ目の方法があるのです。これが貸借対照表の利益剰余金(Retained earnings)に積み上がっていくのです。

 まとめて説明しますと、「他人から借りる」、「株主から資本金として入れてもらう」、そして「自分の会社が稼ぎだす」という3つの方法で集めてきたお金が、いまどういう形に変わって会社の中に存在するかということを表しているのが貸借対照表なのです。ですから、貸借対照表の右側の合計と左側の合計は常に一致します。

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