グローバル化の進展で、対外ビジネスをするときはもちろん、国内事業にからんでも英文会計の理解が必要な局面が増えている。財務3表を一体的に学ぶ勉強法を提唱する会計研修のプロ、ボナ・ヴィータコーポレーション代表取締役の國貞克則氏は、同じ勉強法が英文会計でも有効と話す。國貞氏に、この勉強法に則った英文会計の基礎を8回にわたって解説してもらう。第7回は、アップルとIBMを例に、期間比較や同業他社比較による財務分析を試みる。
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■アップルの期間比較
前回のコラムでアップルの財務諸表を使って図解分析の方法を説明しました。ただ、私たち会計の素人は日頃から財務諸表を見ていないので1社1期分の財務諸表を見ただけでは評価できません。
しかし、心配する必要はありません。例えば、アップルが過去から現在までどのように財務諸表の数字が変わってきたかという期間比較(Trend analysis)や、同業他社と比較する同業他社比較(Peer group analysis)を行えば、私たち会計の素人でもかなりのレベルの財務分析ができるようになります。
では、アップルの期間比較からスタートしましょう。2011年9月期と2017年9月期の比較です。すべて同じ縮尺で比較しています。
図表1 アップルの期間比較(2011年-2017年)