

AI時代を生きるサラリーパーソンへ
創造的な視点から社会・ビジネスの課題を発見し、社会や企業を変革していける力が企業にも個人にも求められています。そうしたイノベーションを生み出したい企業や人たちにとって「デザイン思考」はとても重要な手法です。わたしたちの固定観念や思い込みを取り除き、解くべき価値のある課題をゼロベースで見つけることができます。そして、イノベーションを起こすうえで、さまざまな可能性を秘めた人工知能(AI)は大きな鍵となります。
本講座は、デザイン思考の専門家や、成果を出している企業担当者、AIの専門家を講師に迎え、課題の発見から解決への道筋と共にAIの活用法を学び、実践型のワークショップを通して新しい事業構想力を身につけます。
- 新規事業の担当となっているビジネスパーソン
- 既存事業に行き詰まっている担当者
- 縦割りの企業体制の中で横のつながりを作りイノベーションを起こしたい人
プログラムの特徴
1デザイン思考がわかる
デザイン思考が、いま注目される理由や、基本的な考え方が理解できます。日本企業で実現するうえでのポイントや、プロジェクトの具体的な進め方がわかります。
2AIについてわかる
人工知能とは何か、機械学習、ディープラーニングの基本的な仕組みがわかります。これから1~2年先ぐらいまでにAIで実現できることは何か。AIにできないことが何かも理解できます。
3先進事例がわかる
先進事例として、現場でデザイン思考を浸透させた担当者の方から直接話を伺います。「企業内イノベーション」に必要な人材や、社内の壁をこえるポイントなどが学べます。
4ワークショップで身につく
与えられたテーマに対し、グループで課題を探り出し、プロトタイプを作成し、他の参加者や講師からフィードバックが得られます。講座の中で気づいたことをワークブックに各自が記入し、会社に持ち帰って活用できます。
5デザイン思考実践者の
ネットワークができる
デザイン思考の実践には多様な意見を取り入れることが重要です。講師をはじめ、企業の垣根を超えた参加者同士で情報や経験を共有できます。
デザイン思考とは?
「デザイン思考」とは、優秀なデザイナーやクリエイターの思考法をまねることで、新しい発想を生み出そうとする手法のことです。生活者である人間の姿を重視するため、デザイン思考の発想は、生活者がどんな行動を取り、どんな考え方をするか、どんな感情を示すかなどに注目することから始めます。その上で、現状を分析・理解しアイデアを考え、プロトタイプを作り検証することを繰り返し、生活者の真のニーズをつかみイノベーションに結び付けていきます。米スタンフォード大学やデザイン会社の米IDEOなどが提唱し体系化したもので、アップル、グーグル、GEをはじめ、日本企業でも実績が出ています。
コーディネーター
Thinking outside the box
-思い込みの外に答えはある
イノベーションを起こすための方法として、デザイン思考が注目されています。しかし、デザイン思考はあくまでも企業が解決したい課題や実現したい未来を生み出すための思考ツールです。結果を出すためには、デザイン思考をどの様に使うかという“How”を考える前に、なぜ必要なのかという“Why”や、何を生み出したいのかという“What”を十分に理解しておくことが重要です。
本講座ではデザイン思考を活用するために、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科で教育・研究・実践してきた、いままであまり知られていなかった考え方とやり方をみなさんと学んでいきたいと思います。
富田 欣和 YOSHIKAZU TOMITA
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任講師、関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科准教授。イノベーティブ・デザインLLC代表。イノベーティブシンキングやシステムズエンジニアリング、モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)を用いた社会システムデザインを専門とし、地域創生プロジェクトや企業の経営戦略設計及びビジネスモデル設計などを行う。日本政策投資銀行、宇宙航空研究開発機構(JAXA)等のアドバイザー・外部評価委員も兼務。
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任講師として、イノベーション教育関連のプロジェクトおよびデザインプロジェクト科目を担当。お茶の水女子大学卒業後、大阪大学大学院医学系研究科博士後期課程を修了し、博士号(医学)を取得。金沢大学にてイノベーション創出に関する産学連携プロジェクトの研究マネジメント等に携わる傍ら、リサーチ・アドミニストレーター協議会初代事務局長を務める。2017年4月より現職。
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任助教として、イノベーション教育関連のプロジェクトおよびデザインプロジェクト科目を担当。システムズエンジニアリングコンサルティングビジネスを実践するイノベーティブ・デザインLLCにおいてはパートナーとして企業の新規事業開発およびイノベーション支援。また、情報アーキテクチャ・情報デザインの視点で、日英翻訳・英文ライティングおよびウェブサイトなどのコンテンツデザインに携わる有限会社ブリッジワーク代表取締役。
プログラム
イノベーションを起こすために、デザイン思考をどのように活用するのか。
多くの知見、先進事例を学べます!
※プログラム内容、講師は都合により変更になる場合がございます。予めご了承ください。
第1回
デザイン思考の理解と企業の先進事例
2017年11月14日(火) 13:00~18:00(12:30開場)
概要
第1回では世界のイノベーション創出の方法論を概観し、デザイン思考の基本的な考え方を講義します。その実績のある代表例として、慶応SDMが長年研究と実践を繰り返してきたデザイン思考の新しい活用方法について紹介します。また、デザイン思考を実際に取り入れて新規事業開発に取り組んでいる企業担当者が、社内の理解を得てプロジェクトを実現させるまでのプロセスやポイントを語ります。
ねらい
- 「イノベーション」を生み出す「イノベーティブ」な考え方とは何かが理解できます
- つかみ所のない「デザイン思考」の大枠がわかります
- 単なる成功事例ではなく実践中の事例から自社への導入に向けたヒントが得られます
カリキュラム
Part 1:イノベーションを起こすデザイン思考の基本【講師:富田欣和氏ほか】
Part 2:先駆的に取り組む企業の事例紹介
ゲスト講演1:日本企業流のデザイン思考とは【講師:富士フイルム 小島健嗣氏】
2000年代初め、デジタル化の波で変革を余儀なくされた富士フイルムはその後、化粧品や再生医療などの新分野へ進出してきた。社内の垣根を越えた対話の一つにデザイン思考を取り入れた小島氏が、多くの日本企業やサラリーパーソンに真に必要なデザイン思考について実践をもとに語る。
ゲスト講演2:「デザインガール」を生んだデザイン思考【講師:NTTドコモ 有本香織氏】
NTTドコモの農業ICT推進プロジェクトでは女性有志チーム「アグリガール」がデザイン思考を取り入れてきた。今年から農業以外にも分野を広げ、「IoTデザインガール」の活動を開始。先端技術分野において女性の発想力とデザイン思考を掛け合わせた活動を紹介する。
*内容は一部変更する可能性があります
ゲスト講師

小島 健嗣氏
富士フイルム株式会社 経営企画本部 イノベーション戦略企画部 シニアエキスパート Open Innovation Hub館長
1986年富士フイルム(当時富士写真フイルム)入社。デザインセンターにて情報システム等のプロダクトデザインを担当後、インターフェースデザイン、デジタルコンテンツデザインなど各グループを立ち上げる。2006年よりR&D(研究開発)の現場でデザインの力を活用した観察とプロトタイプのワークショップを6年間実践。11年よりR&D統括本部 技術戦略部で技術広報およびオープンイノベーションを担当。共創による新規事業創出を加速する「場」を提案し、14年Open Innovation Hub開設。15年3月より現職

有本 香織氏
株式会社NTTドコモ 第一法人営業部 IoTデザインプロジェクトチーム IoTデザインガール(アグリガール002)
2002年にNTTドコモに入社。群馬支店法人営業部門に配属される。2007年より子会社のドコモ・ドットコムに出向し、モバイルコンテンツの企画・コンサルティングに携わる。2013年にドコモ第一法人営業部に復職。2014年より、ドコモ・ドットコム時代の先輩女性と農業ICTプロジェクトチーム立ち上げを行う。2016年12月より、農業から分野を超え、部署横断型の「IoTデザインプロジェクト」を開始。2017年7月より、「地域IoT官民ネット」の一部として、業界・企業の垣根を超えた「IoTデザインガール」育成プロジェクトに携わる。
第2回
価値創造につながる問題を見つけ出す& AIの可能性を知る
2017年11月21日(火) 13:00~17:00(12:30開場)
概要
第2回ではAIを活用した新規事業の創出をテーマに、チームに分かれて演習します。
AI研究者をゲストに招き、いま多くの企業が注目するAIの基本的な仕組みや活用事例を解説。それらの最新知識をもとにアイデアを発展させ、議論を深めます。
さらに、イノベーティブなソリューションを生み出すために求められる「イノベーティブ・プロブレム・スペース」の考え方を講義し、核心的な問題定義を見つける方法を学びます。
ねらい
- AIの基本的な仕組みを学べ、最先端の事例を知ったうえで実践につなげられます
- レッドオーシャンをブルーオーシャンへと変えるイノベーションにつながる核心的な問題定義ができます
- イノベーティブな問題定義を実践するためのフレームワークを学べます
カリキュラム
Part 1:AIの可能性を知る【講師:メディアスケッチ 伊本貴士氏】
機械学習、ディープラーニングといった人工知能(AI)の基本的な仕組みを解説。また、今後1~2年ほど先までにAIで実現できることとできないことを知り、その時に人間が考えるべきこと、準備すべきことを議論する。演習課題での活用につながる最新事例も紹介。
Part 2:多様性を引き出すチームビルディング演習【講師:富田欣和氏ほか】
Part 3:イノベーションにつながる核心的な問題定義を見つけ出す【講師:同上】
Part 4:「イノベーティブ・プロブレム・スペース」演習【講師:同上】
*内容は一部変更する可能性があります
ゲスト講師

伊本貴士氏
メディアスケッチ 代表取締役 兼 コーデセブン CTO サートプロ IoT技術講師、IoT検定制度委員会メンバー、サイバー大学講師
2000年NECソフト入社、Linuxのシステム構築を主な業務として行う。フューチャーアーキテクト、クロンラボの情報戦略マネジャーを経て、メディアスケッチを設立。IoTを中心に企業への技術支援、教育支援のコンサルティングを行う。研究では人工知能・無線セキュリティ・ロボット制御を中心に研究を行う。Linux、IT人材育成、IoTの分野の講演実績多数。
第3回
価値連鎖とプロトタイピング
2017年11月28日(火) 13:00~17:00(12:30開場)
概要
第3回は前回導き出した「イノベーティブ・プロブレム・スペース」をベースにして、価値と価値の連鎖について考えます。価値とは何か?そして、持続的なビジネスモデルに求められる価値の連鎖とは何か?を演習で検討した後に、検討結果が正しい方向に向かっているかを確認するプロトタイピングについてその考え方とやり方を学びます。特にイノベーティブ・プロブレム・スペースと価値連鎖の関係を確認するためのプロトタイピング計画について演習で理解を深めます。
ねらい
- 「価値」についての基本的な概念を理解すると共に、価値づくりをするための考え方とやり方を学べます
- 単発での価値づくりではなく、システムとして持続的に価値を実現することについて、基本的な概念を理解できます
- プロトタイピングでもっとも重要なその計画性について理解できます
カリキュラム
Part 1:価値と提供価値【講師:富田欣和氏ほか】
Part 2:イノベーティブ・プロブレム・スペースと提供価値の関係【講師:同上】
Part 3:プロトタイピングとその計画【講師:同上】
*内容は一部変更する可能性があります
第4回
デザイン思考を自社で活用するためのコツ
2017年12月5日(火) 13:00~17:00(12:30開場)
概要
第3回までの成果を統合して、チームごとに1つのソリューションコンセプトを作り上げます。その結果を全員でレビューすることを通して、企業内でイノベーティブなソリューションを生み出す際の面白さを体感できます。また、デザイン思考を活用していく際の最も重要なマインドセットである“Creative Confidence(創造力に対する自信)”について学び、自社内で展開していく際のポイントについて議論します。
ねらい
- 複数のプロセスやツールを統合的に使うためのコツを身に付けられます
- グループの多様性を活かすために必要な視点を得られます
- デザイン思考を用いるときに不可欠な“Creative Confidence”について理解できます
カリキュラム
Part 1:グループワーク
Part 2:全チームの発表
Part 3:講師より個別フィードバック【講師:富田欣和氏ほか】
Part 4:デザイン思考で重要な“Creative Confidence”【講師:同上】
まとめ
*内容は一部変更する可能性があります
開催概要
開催時期 |
2017年11月14日(火)~12月5日(火) 全4回
第1回 11月14日(火) 13:00~18:00(12:30開場) ※懇親会あり |
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会場 | グローバルビジネスハブ東京 他 |
主催 | 日経ビジネススクール(日本経済新聞社、日経BP社) |
定員 |
50名(先着順) ※最少開催人数あり |
参加料 |
270,000円(消費税別) |
お問い合わせ先 |
日経ビジネススクール デザイン思考講座 事務局 |