戦略的リスキリング|プログラム選定の全プロセス

 2023.09.01
 日経ビジネススクール

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リスキリング計画の進め方

失敗しないリスキリング施策をプランニングするためには、大きく5つのステップで考える必要があります。

Step1 リスキリング成功のポイントを確認

①事業戦略との連携

リスキリングは、組織の目標や戦略に合わせて行われるべきです。事業計画に統合されないままのリスキリングは、組織の方向性との不一致を引き起こす可能性があります。事業計画とリスキリングを連携させることで、従業員のスキルや能力を必要な方向に育成し、戦略的目標達成に寄与することができます。

②Futureスキル(=将来必要となるスキル)を加味しよう

Futureスキルを定義することは、組織の成長と競争力を維持するために不可欠です。組織がどのようなスキルを重視し、育成すべきかを明確にすることで、リスキリングの方向性や目標が定まり、効果的なスキル開発プログラムを実施する土台を築くことができます。

Step2. 組織図を作成し不足している人材を可視化する

現在の組織図と事業計画に沿った将来の組織図を作成します。
不足している人材を可視化する事で必要な人材の“人数”と”スキル”を理解することが出来ます。

Step3.不足している人材を確保する

・既存社員を育成する
既存社員は既に企業文化や業務プロセスに馴染んでおり、組織への適応が早く、新たなスキルや知識をより効果的に取り入れることができます。また、既存の知識と組み合わせることで、より総合的な価値を提供できる可能性があります。

・社外から採用する
早急に必要なスキルを持つ人材を外部から採用することで、組織内でスキルを習得するよりも迅速に業務を遂行できるようになります。また、新たな産業や市場からの視点やアイデアを持ち込むこともできます。

Step4.研修プログラムの選定

現状のスキルとFeature Skillの差分(=必要なスキル)に対応するための研修プログラムを選定します。内部での研修や外部の研修プロバイダーの利用、オンラインコースなど、適切なプログラムを選びます。

研修プログラムの活用例(メリット&デメリット)

  メリット デメリット
講義型研修

・広範な受講者に適している:

大人数の受講者に向けて行われるため、組織内や業界全体でのスキルや知識の共有に適しています。

・専門知識の提供:

専門的な知識やスキルを持つ講師が受講者に直接教えることができるため、専門領域の理解を深めるのに効果的です。

・実践的なスキルの不足:

理論的な知識の提供に重点が置かれるため、実践的なスキルの習得が不足する可能性があります。

・モチベーションの低下:

長時間の講義や一方的な情報伝達が続く場合、受講者のモチベーションが低下することがあります。

eラーニング

・個別対応の学習:

受講者のスキルやニーズに合わせて学習内容を調整することができます。カスタマイズされた学習プランにより、効果的なスキル向上が図れます。

・追跡と評価:

進捗状況や評価を追跡できる機能もあり、従業員の学習進捗や理解度を把握しやすくなります。

・モチベーションの維持:

自己学習のため、受講者のモチベーションを維持することが難しい場合があります。

・ソーシャルスキルの不足:

主に個人の学習に焦点を当てるため、ソーシャルスキルやチームワークなどの対人スキルの習得が不足する可能性があります。

サブスクリプション

・コンテンツの多様性:

幅広いトピックやスキルに関するコンテンツを学習できるため、従業員が異なる分野で学習できる柔軟性があります。

・柔軟なアクセス:

従業員がオンデマンドで学習コンテンツにアクセスできるため、個々のスケジュールに合わせて学習を進めることが可能です。

・参加率の低下:

忙しい期間やプロジェクトが進行中の場合、研修への参加率が低下する可能性があります。

・コンテンツの質と更新:

提供する学習コンテンツの質を保つことが重要です。また、コンテンツの定期的な更新や改善が求められます。

オンデマンド

(買い切り)

・リソースの再利用:

コンテンツは録画されていることが多く、これにより複数の従業員が同じコンテンツを利用できるため、リソースの再利用が容易です。

・場所と時間への制約の解消:

従業員はオンデマンド研修を自宅や外出先など、選んだ場所で受講できます。また、時間帯にも制約が少なく、忙しいスケジュールの中でも学習が可能です。

・深い理解の難しさ:

一部のトピックやスキルは、対話や実践的なアプローチが必要な場合があり、オンデマンド研修だけでは、深い理解やスキルの習得が難しいことがあります。

・モチベーションの低下:

オンデマンド研修は自己管理が求められるため、一部の従業員はモチベーションを維持するのが難しい場合があります。

ケーススタディ

・実践的な学び:

実際の事例を用いて学ぶため、現実の課題に対する実践的なアプローチを学ぶことが出来ますので、実際の状況に対応するスキルを習得することができます。

・コラボレーションとディスカッションの促進:

従業員同士の意見交換やグループディスカッションが促進されます。異なる視点やアイデアを共有することにより、より豊かな学習体験が得ることが出来ます

・時間とリソースの要求:

詳細な分析とディスカッションを必要とするため、通常のトレーニングよりも時間とリソースが必要となります。

・アクティブな参加の必要:

従業員の積極的な参加が求められます。受講者が無関心である場合、学習の効果が制限される可能性があります。

手上げ式研修

・効果的な学習:

希望者が自発的に参加するため、学習意欲が高まり、学習の効果が向上します。

・従業員エンゲージメントが高まるやる気のある従業員様に学びの機会を提供することでモチベーション向上や離職防止効果が期待できます。

・組織全体の方針との調和:

組織全体の方針や目標と調和するかどうかを慎重に検討する必要があります。

・情報の偏り:

希望者のみが参加するため、特定の意見や視点が優先される可能性があります。組織全体の多様性を反映しきれない場合があります。

     

 

・研修プログラムの選び方
① 受講者の性格を考慮する
人々の性格によって好む学習スタイルが異なります。個々の性格の特徴や学習スタイルを理解し、時には複数のプログラムを組み合わせるなどして、異なる学習スタイルに合ったプログラムを提供することで、受講者の満足度や学習成果を最大限に引き出すことができます。

② リソースの最適活用:
組織のリソースは限られており、人材や予算を最適に活用することが求められています。限られたリソースをより戦略的に配分し、最大限の成果を得ることが必要です。

③ 評価と効果測定
研修プログラムの成功を確認し、持続的な成長と改善をサポートするために欠かせない要素です。組織の投資(予算、人材、時間)を正当化し、受講者のスキル向上と満足度向上を実現するために、プログラムの効果を定量的に評価することが不可欠です。

Step5.予算と資源を算出

選定したトレーニングプログラムのコストを評価します。トレーニング費用、教材費、トレーナーの給与など、必要なコストを洗い出し、各プログラムに予算を割り当てます。
適切な予算と資源の確保によって、プログラムの品質を保ちながら組織目標の達成を実現することができます。

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