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リーダー層の戦略的育成 国際競争力回復には必須 シンポジウム「エグゼクティブ改革2017」リポート

 次の経営人材をどのように育成したらいいのか。企業の国際化やIT(情報技術)化が急速に進むなか、グローバルリーダーの養成が急務になっている。しかし、欧米やアジアの大企業と比べて日本企業による戦略的な人材育成は遅れている。どう対処すればいいのか。11月20日、都内の日経ホールで一橋大学大学院商学研究科の伊藤邦雄特任教授が司会役になり、「人事のプロ」と呼ばれる前LIXIL取締役の八木洋介ピープルファースト社長、AGC旭硝子の石村和彦会長、SOMPOホールディングスの桜田謙悟社長の4人が討論した。日経ビジネススクール「日本版エグゼクティブ教育研究会」主催のシンポジウム「エグゼクティブ改革2017」の議論をお伝えする。

八木洋介・ピープルファースト社長 八木洋介・ピープルファースト社長

 「一昔前の話ですが、サムスン電子の李健熙会長が三洋電機の井植敏会長(当時)に、人材育成にどのくらいの金額をかけているのかと尋ねた。井植会長がまごついていると、李健熙会長は『ウチは研究開発費と同じくらい投じている』と話して、井植会長は仰天したという。じゃうちもやらないと考えたが、そうこうしているうちに歴史はああなった」。伊藤教授は、2008年にパナソニックの子会社となった三洋電機を題材に、日本企業の人材育成の遅れについて指摘する。

 かつての三洋電機はサムスンの先生役だったが、立場は逆転、半導体を核とする世界的な電機メーカーに躍進した。日本の電機大手は海外市場を席巻したが、現在は劣勢だ。最大の理由の一つが経営人材の力不足だという。「日本の会社の社長は60代ぐらいで、4年で定期的に交代するケースもある。年齢も高く、肉体的にきつくなり、戦略を立てるどころじゃない」と伊藤教授はいう。

石村和彦・AGC旭硝子会長 石村和彦・AGC旭硝子会長

 八木氏は「日本は残念な会社が多い。次期社長を打診されて『青天のへきれき』という人がいるがこれがおかしい。社長になる心構え、準備をしてこなかったということになる。トップのポストは自分で取りにいくものだ」という。

 現在、日本を代表する大手企業は、どのような経営人材の育成プログラムを進めているのか。海外売上比は約7割とグローバル企業に成長したAGC旭硝子。石村会長は、「将来のトップリーダーの後継者は、様々なポストに配置換えして育てる考えだ。取締役は社内が7人、社外が3人で、指名委員会では社外の江川雅子氏(一橋大学大学院教授)を委員長に据え、第3者の客観的な立場で選ぶ体制としている」という。ただ、課題は少なくない。「各部門は優秀な人材を抱え込み、他部門に出そうとしない。そんな場合は、トップ自らが口を挟み、別の部門に配置転換するように指示している」という。

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