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財務分析の要は比較 アップルとIBMの違いは? 第7回 アップルとIBMの財務諸表を分析してみよう

 アップルはこの6年ほどの間に飛躍的に規模が拡大しています。売上高(Net sales)は2倍以上、総資産(Total assets)は3倍以上に膨らんでいます。

 アップルの財務諸表を見て、なんといっても驚異的なのは営業利益率(Operating income margin)の高さです。2011年は31.2%、2017年は26.8%です。アップルの営業利益率は30%前後で推移しています。読者のみなさんは日本の大手電器メーカーの営業利益率をご存知でしょうか。パナソニック、ソニー、富士通、NECといった会社の営業利益率です。まあ3%前後です。過去10年くらいを振り返ってみても日本の大手電器メーカーの営業利益率は1%から5%程度で推移しています。

 業態が違うとはいえ、同じスマホやコンピューターを販売している会社です。ちなみに、売上規模の参考という意味では、日立製作所の売上高が約10兆円、トヨタ自動車の売上高が27兆円から28兆円といったところです。トヨタ自動車に迫る勢いの売上高の会社の営業利益率が約30%なのです。恐ろしい限りです。

 ただ、読者のみなさんの中には、「営業利益率は高いかもしれないが、総資本回転率(Total assets turnover)が低くなってきているじゃないか。投資の効率が悪いんじゃないの」と思われた方がおられるかもしれません。大きな枠組みではそうともいえるのですが、アップルの場合は特殊なのです。

 何が特殊かといえば、アップルの2017年9月期の総資産約37兆5千億円の中の約27兆円が現金及び現金に変換可能な有価証券なのです。英語でいえばMarketable securitiesです。アップルは米国の国債や企業の株式を20兆円以上保有しています。余談ですが、もしアップルが保有する現金及び現金に変換可能な有価証券(約27兆円)の4倍のレバレッジをかけて他人資本を集めようと思えば100兆円を超える現金が集まってきます。100兆円といえば私たち日本人にはなじみが深い数字ですね。日本の国家予算が約100兆円です。アップルという会社は日本の国家予算規模のお金を動かせるポテンシャルを持っている会社ともいえるのです。これもまた恐ろしい話です。

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