Today’s best-performing companies stick to the knitting, says the economist.
(今日では優良企業ほど本業に専念すると、そのエコノミストは言っています)
Vocab Aid:
best-performing company(優良企業)
上の例文は著名なオーストラリアのエコノミストが書いた論文の一節です。stick to the knitting(編みものに専念する)とあるからといって、社員が編みものをする会社が優良企業と言っているわけじゃありません。「本業に専念する」「得意なことに専心する」などを意味するのがこのフレーズ。編みものは女性がするものと考えられていた時代にできた慣用句です。stick to your knittingと言えば「あなたは編みものをやっていなさい」、つまりは「余計なことはしなくていい」という意味になります。フレーズ自体は今でも問題なく通用しますが、性差別の匂いがあるその由来は今の時代なら物議をかもしていたに違いありません。
How to use:
- What’s their argument all about?
- The chairman wants the company to stick to the knitting, but the president wants it to diversify.
- あの人たち、何で言い合いしてるの?
- 会長は会社は本業に専念すべきだと思っているし、社長は多角化すべきだと思ってるんだ。
Further Study:
「自分に向いた仕事をなさい」――。ツテを頼ってオーディションを受けに来る若い人の歌を聞いたあと、こう諭して帰すことが多いそうです。いくつものミュージカルをヒットさせた音楽プロデューサーに聞いた話。欧米の同業プロデューサーならDon’t give up your day job.と言うところです。day jobというのは「本業」「まともな仕事」のことですから、「今のちゃんとした仕事を捨てなさんな」という意味。表現こそ違え、日英ともstick to your knittingと似たようなものですね。
- What do you think of my singing? Don’t you think I can become a pro?
(僕の歌はどうだい。プロになれると思わないか?)
- Well, don’t give up your day job. You won’t be able to earn a living as a singer.
(まあ、今の仕事を大事にしておくことね。歌い手としては食べていけないわよ)
コスモポリタン・インスティテュート(CI)