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やり直し英語勉強法

会議・交渉、独特の言い回しを学ぼう――日向清人(2)

 急速にグローバル化の進む会社の職場。外国人ビジネスマンの姿も日増しに増えている。しかし、多くのビジネスパーソンにとって大きな壁となっているのがやはりビジネス英語だろう。本当に使える実践的な英語を学び直す必要に迫られている。日経Bizアカデミーの人気連載「やりなおし英語勉強法」を再公開します。

 シリーズの2回目は会議と交渉の英語です。英語で進める会議や交渉では、日本人と外国人の会議に関する認識や問題意識の差、それに起因する会議の進め方、参加の仕方、まとめ方の違いといったものが論じられたり、説明されたりします。確かにこういったものも大事ですが、会議や交渉で使われる独特の言い回しや、その言い回しをどの局面でどう使うかを学ぶことが先決です。会議・交渉に関する文化論的な知識がまるでなくても、一定レベル以上の英語力があれば、何とか会議・交渉はできます。そうであれば、会議や交渉の目的・展開に応じた言い回しを覚えたうえで、局面に応じて繰り出し、会議や交渉に参加する目的を果たす方が大事です。そこで今回は英語で進められる会議の典型的なプロセスがどういうものであるかを振り返ってから、各局面に応じた言い回しを使ううえで何が大事かをみていきます。

◇   ◇   ◇

★会議・交渉のプロセス

 英語を話すためのフレーズは、相手・目的・状況といったコンテクストに即して使われるものですから、以下のような、会議・交渉に特有の流れをわきまえたうえで各種フレーズを学ぶ姿勢がないと、勉強の時間を費やしても実効があがりません。

要所要所で使うフレーズを知る

 まず、会議は問題の所在を確認し、問題の解決を図るべく、議長や仕切り役のリードのもと、参加者が意見を交換しつつ、一定の結論を得ることを目的としています。典型的には、意見を出し合う → 賛否を言う → 結論をまとめる、と流れます。となると、Taro, what do you think? ...In my opinion, we should...Thank you Taro...Jiro, do you agree?...I partly agree but...So, you think we need to... OK. We all agree to...といった要所要所で使うフレーズを知らないと流れに乗れず、何があったのかすらつかめないで終わります。

 一方、交渉は双方の立場の背後にある真意を探るための情報交換から始まり、「これでどうか」という条件提示、「こういう手はどうだろうか」という条件の擦り合わせ、互いに納得できる決着、と流れます。となると、Shall we review the background up to today?...OK, basically we would like to...How does that sound?...We propose that...Well, so long as you...then we could...We can agree to that...I think we have a deal. と、ここでも会議の英語と同様、節目が決まっている以上、そこで使う決まり文句を心得ていないと進むものも進まなくなってしまいます。

 ちなみに、交渉の場合、大体の流れが決まっている点は会議と共通するものの、何と言っても利害の対立する当事者が対峙するのですから、あとで触れる通り、「そりゃ、うちにとって厳しい」と言いたい場合も、That's tough for us.よりは、和らげる a littleを入れて、That's a little tough for us. という言い方にし、相手に気を遣っていますよと積極的にアピールするものです。

インパクトを和らげる工夫も必要

★会議・交渉英語の応用

 会議も交渉もそれぞれ固有の局面のシリーズを経て最終的な合意へと進みますから、第一に、関係するフレーズを勉強する場合も、それがどの局面で使われるのかを押さえておく必要があります。

 第二に、参加者としては、自分の発言がそこでのプロセスとの関係でどういう性質のものかを相手に宣言してから何か言うのが普通ですから、May I come in here? (ちょっとよろしいですか)、So, to sum up...(となると、ざっとまとめてしまうと)などと、全体の展開の中での自分の立ち位置を示す「ディスコースマーカー」と呼ばれるフレーズを用意しておく必要があります。

 第三に、考えの違う複数の人が意見を出し合う場である以上、相手への気遣いが他の場面に比して一段と強く求められ、特に交渉の場では、もともと利害の対立があることから、言葉遣いそのものも、That is unacceptable. (それは受入れられません)に代えて、That "would" be unacceptable. を使うというふうに、より穏やかな表現が好まれます。I have doubts about that.(その点、疑念があります)と言ってもいいのに、実際は、インパクトを和らげるため、間投詞的にsomeを入れて、I have "some" doubts about that. というふうに工夫するものです。

 会議も交渉も流れのあるプロセスであるため、適材適所的なフレーズの運用が求められ、しかも生身の人間が相手なので、気遣いを示すスキルも求められるということです。

[この記事は2011年10月20日の日経Bizアカデミーに掲載したものです]

「やりなおし英語勉強法」は原則火曜日掲載です。

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日向清人(ひなた・きよと)
慶應義塾大学大学院修了。証券会社などを経て、現在、同大学外国語教育研究センター所員、同大学法学部非常勤講師。ケンブリッジ大学英語検定試験委員。NHKラジオ「ビジネス英会話」の講師を務めたほか、ビジネス英語に関する著書も多い。

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